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スーパームーン

by 唐草 [2012/05/05]



 今日の満月は、いつもより大きいらしい。そう言われて空を見上げると、雲間から覗く月が幾分大きく見えるような気もした。自信はないが、なんだか一回りぐらい大きいような気もする。
 計算によると普段より14%程度大きいらしい。面積で14%増と言うことは、直径に換算すると約7%増といったところか。身の回りの物が7%も大きくなっていたら、すぐに気が付くだろう。いつも乗っている自転車のタイヤの直径が26インチから27インチに大きくなっていたら絶対にすぐに気が付く。愛用のお茶碗が7%多くなっていたら、きっとご飯を残してしまうだろう。身近な物で考えれば考えるほど約7%増の威力を実感することができる。
 でも、今日の月が大きいことを知らなかったら絶対に気が付いていないだろう。
 仮にいつもより大きいような気がすると思っても、地平線から顔を出したばかりの東の空の月が大きく見えるのと同じような目の錯覚だろうと片付けてしまうに違いない。月の大きさが目に見える範囲で変化するなんて想像もしていない。だから、もし月の大きさが面積比で2倍、直径比で40% UPしていても、月が大きいのではなく目の錯覚だと思い込んでしまいそう。
 こういうことを考えているとだんだん不安になってくる。
 本当に今日の月は、14%も大きいのだろうか?
 大きく見えると発表されているだけだ。その発表を鵜呑みにしていつもより大きく見えているような気がしているだけかもしれない。数日後になって「スーパームーンを信じたヤツは、情報を鵜呑みにするバカな連中でした!」と言われても、ぼくは反論できない。
 夜空を見上げているとだんだん月の大きさに自信を持てなくなってきた。大きいような気もするし、いつも通りのような気もする。外部からの情報に左右されて大きく見えているような不信感も拭いきれない。疑心暗鬼無き分で眺める月は、いつも以上にミステリアスな光を放っているように見える。