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きもちいい変速を1

by 唐草 [2012/05/13]



 先日駐輪場で自転車が壊されたと言って差し支えないほどのダメージを被った。きっと、隣のレーンに自転車を駐めた人が強引に自分のレーンに入れたのだろう。ぼくの自転車の後のギアを制御するためのワイヤーのカバーが、正しい取り付け方向から180度向きを変えていた。よく見るとリアディレーラーのアジャスター付近が完全に折れていた。
 このように正確に書いても自転車屋にしか通じないだろう。イメージとしては、ママチャリのブレーキレバーから出ているワイヤーを付け根から折り曲げるのとだいたい同じ。
 一体どれだけの力で自転車を押し込めば、ワイヤーのカバーをへし折れるのだろう。
 たぶんぼくの自転車のワイヤーに隣の自転車のペダルが引っかかってしまったのだろう。良識ある人ならペダルの位置を直すだろう。そんなこともしないで目一杯の力で自転車を押し込んだに違いない。
 今、思い出しても腹が立つ。
 幸いなことに破損したのは、ワイヤーのカバーの付け根だけだった。中身のワイヤーは無事だったし、アジャスターにも致命的な破損は無かった。
 だが、アジャスターとの接続部分が壊れたことによって正しい変速ができなくなってしまった。9段変速のギアを積んでいるのだが、一番重いギアに入らなくなっていた。
 その状態での走行は、ママチャリに乗っている方がマシだと思えるほどに気分の悪いものだった。
 いつも通り加速をしながらシフトチェンジを行うと4速ぐらいでギアが動かなくなる。仕方がないのでもう一段階分シフトチェンジをすると2段分動く。そして次のギアでも同じことが起きる。これだけでも相当気持ち悪い動きだ。
 そのツケが一番重いギアで現れる。もうギアの余裕はないので変速しそうだけれどもしない微妙な位置にチェーンが動いてしまう。カリカリカチャカチャとギアとチェーンがぶつかる音がするのだけれど、変速しない。で、しないのかと思っていると突然ギアが変わる。なんだ変わるじゃないか!と思うとまた元に戻る。
 今まで様々な自転車の故障を経験してきたが、今回の故障がもっともストレスの溜まる故障だと思う。
 ぼくの隣に強引に自転車を駐めた人に「急いでいる朝にチェーンが外れる呪い」をかけたいと思う。