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価値観の激突

by 唐草 [2012/05/15]



 いつもとは異なる時間に電車に乗った。電車の中が妙に騒がしいと思ったら高校生の下校時刻だった。
 ぼくの斜め前に立った女子高校生二人組が大きな声で楽しそうに話している。イヤホンをして音楽を聴きながらゲームをしているぼくの耳にも会話の内容がハッキリ聞こえるんだからかなりの大声だ。
 おばさん二人組がそんな大声で話していたら周囲から「うっせー、ババァ」という軽蔑の眼差しが向けられているだろう。でも、若いって得ですね。話している話題が実に高校生らしかったこともあり、空いた車内で会話に興じる彼女らに鋭い視線を向けている人物はいなかったように思える。
 耳栓をしても聞こえそうな彼女らの会話の中身は次のようなものだった。
 「○○(女子の名前)って、チャラいよね〜」
 「渋谷とかで遊んでそう〜」
 「絶対よく遊んでそう!」
 みたいな感じでクラス(?)の女子のことを容姿からカテゴリー分けしていたようだ。次々に友人らしき名前を上げては、何系かを話し合っていた。二人の意見は概ね同じで「分かる分かる」と同意をしながら楽しそうに話していた。
 ところが「さん」付けをしてしまうような知人のカテゴリーを話す際に彼女らの意見は真っ向から対立していた。
 「○○さんって清楚だよね?」と一方が好意的な意見を口にした。
 「えっ、清楚?地味じゃん○○さん。」と珍しく否定的な意見が返される。
 「ああいうのを清楚って言うんじゃないの?」
 「あれは地味系!」
 と清楚なのか地味なのかを巡って意見は平行線のままだった。
 確かにこれは難しい問題だ。私服だったら清楚か地味かの区分は簡単かもしれないが、制服姿しか見たことのない人物を見かけだけで清楚か地味かを分類するのは至難の業だ。
 1つだけ確かなのは清楚だと言った方は○○さんのことを好意的に捉えているが、もう一方はそうは思っていないと言うこと。
 女子の会話怖い。