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ペンギンのいる景色

by 唐草 [2012/05/28]



 先週から結論が出せないでいる問題がある。それは葛西臨海水族園から脱走したペンギン捕獲のニュースに対するぼく自身の意見だ。脱走ペンギン捕獲知らせを耳にしたときに、相反する2つの意見がぼくの中に生じた。これはペンギンを愛するものなら誰もが抱く葛藤ではないだろうか?
 捕獲肯定派のぼくはこうつぶやく。無事に捕まって良かったじゃないか。これでペンギンに危険が及ぶ心配もなくなったし、ぼくのような過激なペンギン愛好者に捕獲される心配もなくなった。最近の動物園の飼育環境は充実しているので、園の中にいた方が快適な人生(ペン生?)を送ることができるはずだ。
 一方で捕獲反対派のぼくはこうもつぶやく。捕獲してしまうとは何事だ!東京湾には野生のペンギンがいるという事実が、ペンギン愛好家にとってどれだけ嬉しいことだったか分からないのか。それに脱走ペンギンは、本来の生息地とは大きく異なる東京湾でも見事に生き延びたではないか。ペンギンの大冒険を無理矢理終わらせるなんて許せない。
 理性的なぼくはペンギン捕獲を評価して、感情的なぼくはペンギン捕獲を非難している。
 どちらもぼくの意見であることは確かだが、感情的になっているところを見るとやはりペンギンの捕獲には反対なのかもしれない。しかし、脱走直後に真剣に捕獲を試みたいと思ったのも事実だ。
 でも、2ヶ月近く東京湾で生活するペンギンの姿を知った今、ぼくの意見は一方へ傾きつつある。やはり、ペンギンの大自然へのチャレンジを暖かく見守るべきではなかったのだろうかと?東京湾には飼育されていたペンギンが生きていくことができる環境があるのだ。南半球へ、それも高緯度の場所へ赴かなくてもペンギンが暮らすことのできる環境がある。なんとすばらしいことではないか!
 もう、フンボルトペンギン数百羽を東京湾に放して新たなペンギンの生息地を作りたいぐらいだ。あぁ、東京湾で野生のペンギンが見られたらどんなにすばらしいことだろうか。