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カウンターピックこそ至高

by 唐草 [2012/05/30]



 先日公開した『佐藤 vs 鈴木』は、一見今までの検索大戦シリーズと大差ないように見えるかと思う。でも、AIがカードを選ぶ際の内部処理が一新されている。
 『ググレカスの乱』と『ロングテイルの森』のAIは、非常に単純な動作だった。とにかく単体で検索したときに件数が一番多い単語を選ぶだけ。組み合わせのことは一切考えてはいなかった。一方『佐藤 vs 鈴木』のAIは、そんな単純さではゲームにならなかった。ちゃんとカードを組み合わせたときの件数を考慮してカードを選ぶように進化いている。
 このAIの進化のおかげでぼくが目指しているゲームの形にだいぶ近づくことができた。それは、シンプルなカウンターピックが効果を発揮する2手先を読むゲームだ。『佐藤 vs 鈴木』をプレーしてくださった方なら何となくぼくの狙いを分かっていただけるのではないだろうか?
 例えばこんな感じ。ゲームで「佐」「藤」「木」「田」のカードが出たとする。
 素直に一番多そうな「佐藤」という組み合わせを作ろうとして「佐」を選択したら、AIが「藤」を選択して「佐藤」作成を妨害。しかたなく「田」を選んで「佐田」にしたところAIは「木」を選んで「藤木」。「佐田」vs「藤木」でAIが勝利となる。これがAI側のカウンターピックだ。
 こういう流れになることを予想して初めから「藤木」を狙うのが有効。初手で「藤」を選ぶとAIはカウンターで「木」を取って「木田」を狙う。こうなれば勝ったも同然で悠々と「田」を選べばいい。「藤田」vs「田佐」で圧勝だ。実際のゲームではカードが10枚なのでもう少し複雑になるが、これがカウンターピックの基本だ。
 こんな感じで自分が選んだ手によって相手がどういう対策を取ってくるかを想定した上で行動を選択するゲームこそ至高なものだと考えている。将棋やチェスなんかは、その極地だ。でも、あそこまで先読みするのは楽じゃない。2,3手の先読みで相手の動きを封じるカウンターピックを繰り出せば簡単に勝てる手軽さも欲しい。
 ポーカーのように見えない相手の手の内を読む対策ではなく、公開されたカードをどう選ぶかの心理戦。それこそぼくのおもしろさの核だと考えている。