カレンダー

2024/04
 
252627
282930    
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

究極の整理の果てに

by 唐草 [2012/07/07]



 分厚いコンピュータ関連の本を含めた3冊の大判の本が返ってきた。貸していたというか、預けていたというか、置きっぱなしにしていたというか立場によって解釈が変わりそうな状況に置かれていた哀れな本たちだ。
 これらの本は、確かに我が家から持ち出された本だ。でも、現在の我が家にはこれらの本をしまうスペースはない。震度5強で揺れても本が落ちないぐらいにびっしりとすき間無く詰め込まれた本棚に累計600ページもの本を押し込むことは、もはや不可能。
 これはぼくの完全な不手際だ。本を預けていることをすっかり忘れて大がかりな本棚整理をしてしまったのだ。ぼくの本棚は、整理したときに手元にあった本のために最適化されている。モデルルームに置かれたインテリアとしての本棚並みに、隙無く本が詰まっている。
 ぼくにとって整理整頓や収納術とは、パズルと同義である。家に置かれた様々な立体物を棚やコンテナに隙間無くきっちりと詰め込むゲームそのものだ。
 層を成すように収納されたものたちは、互いにバランスを取っている。何かひとつを抜いてしまうと、バランスが崩れて収まらなくなったりする。そんな収納をしてしまう。
 本棚とて同じこと。本の高さに合わせて棚板を調整する。また、本の奥行きを合わせることで一段の棚に二重に本を置いたりしている。
 細部の整合性がきっちりと合わさったときだけ、ぼくの部屋の本棚は設計者の意図を越えた膨大な量の本を収納する。今の状態がまさにそれだ。
 返ってきた本を入れる余地はどこにも無い。
 ぼくに残された選択肢は2つ。本棚への収納を諦めるか、本棚の再整理を行うかだ。冊数が増えて難易度が向上したパズル。そう思うと、整理欲求が疼いてくるのを感じずにはいられない。