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500円硬貨を

by 唐草 [2014/04/05]



 数年前に(検索したら2009年でした)江戸川乱歩のデビュー作である『二銭銅貨』を現代版にリメイクできないものだろうか?というネタを書いていた。
 シャーロック・ホームズの現代版が大人気になっているところを踏まえると、古い作品を現代リメイクしようというぼくの発想は間違っていなかったのではないかと自信を深めてしまう。
 さて、『二銭銅貨』で重要なアイテムは、文字通り「二銭銅貨」。
 「二銭銅貨」を割って、その中に暗号文を隠していたというのが物語の始まり。
 もっとも、この仕掛け自体がフェイクで主人公をもてあそぶための仕掛けだったように記憶している。暗号文の読み方を変えると「ご冗談」になるというオチがついていた気がする。
 現実問題として、二銭銅貨の中に紙切れを隠す事なんて出来るのだろうか?当時の二銭銅貨は、今の100円玉よりちょっと大きいぐらい。素直に一枚の硬貨を割ってその中に紙を入れるスペースを作るのは難しそうだ。2枚の硬貨を使って、表面と裏面を作って貼り合わせれば中に空洞のある硬貨を作ることはできたかもしれないが、職人並の加工技術と精緻な工具がなければ難しいだろう。
 現代版『二銭銅貨』を作るにあたってやはり、この硬貨の仕掛けは外せない。
 今の硬貨を使うとしたら、やはりもっとも大きな硬貨を選ぶことになるだろう。となれば対象は500円玉が適当だ。
 財布の中から500円玉を取り出して眺めてみる。
 この硬貨の中にものを収納するスペースを作ることなんてできるだろうか?高い偽造防止技術の粋が集められた硬貨なので加工は難しそうだ。
 でも、実際に使用する硬貨ではない。あくまで暗号文の隠し場所として使えれば良いのだ。重量とか電気抵抗とかは無視できる。どうにか内部に空間を作れれば良いのだ。
 そういう仕掛けのある硬貨を準備するにあたって、なにも『二銭銅貨』が書かれた当時の技術水準でものを考える必要は無い。
 現代版なんだ、現代らしいアプローチを取ろうではないか。むしろ、現代版らしく最新のテクノロジーで固めたい。
 硬貨の内部に初めからスペースのある硬貨を作ればいい。本物から削り出す必要なんてどこにもない。
 金属成形のできる3Dプリンタで、開閉可能な500円玉を作ればいいのではないだろうか?
 これならば、あのトリックを現代に実現できる気がする。

つづく