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黙れ外野

by 唐草 [2014/04/15]



 マンガでキライな表現がある。スポーツマンガなんかで多い表現なのだが、プレーヤーではなく試合を見ている側の人間が解説を始める表現だ。
 コーチとかライバルとか引退した選手とかが、「なんて展開だ!?」とか「今のが特訓の成果だ」とかそんな感じでコメントをする表現が大キライだ。そういう表現を目にすると途端に冷めてしまう。
 キライな理由はいくつかある。
 まず、マンガであるにも関わらず絵ではなく言葉で展開を説明している点だ。そんな言葉を使わずとも画力で表現してほしいものだ。
 また、外野の解説が入ることで、試合の流れが途切れて見えてしまうようにも思える。競技中の主人公に感情移入していたのに急に観客席に引き戻されたような感じがする。
 だから、外野でうんちくを垂れる解説キャラが登場すると、たいていの場合「黙れ!」と言いたくなってしまう。
 とはいうものの、ぼくはスポーツマンガなんてほとんど読んだことはない。でも、いくつかのマンガをパラパラっと見た感じ、こんな表現が多いような印象が強く残っている。
 もっと競技者視点で描いてほしいものだ。絶対に観客席で見る試合と競技者が目にしている光景は違うはずだ。
 ぼくは真剣にスポーツに取り組んだことはない。でも、高校生の頃に野球部でピッチャーをしている友人に面白い話を聞いたことがある。本当に試合に集中すると周囲の声援もヤジもなにも聞こえないような境地に達することがあるらしい。それがどんな世界に見えるのかぼくにはわからない。
 彼の言葉を信じるのであれば、真っ白な空間で試合が展開される『ピンポン』のペコvs.ドラゴン戦は秀逸な表現だと思う。もっと競技者視点の表現が増えるといいなぁ。