KL system

ログインなしの

by 唐草 [2014/07/07]

　少し前にログインなしで個人を特定できるアプリを作った。初回起動時に10桁の乱数を発行して、それを個体識別キーとして利用する仕組みだ。重複の可能性もあるが、天文学的な低い確率だし、小規模サービスなので無視して実装をしたが、問題は発生しなかった。
　そのシステムの評判は上々だったようだ。煩雑なログイン処理が無いし、導入時にアカウント登録をしないで済むので気軽にサービスに参加できるとの評価を受けた。
　ぼくたちは毎日当然のようにアカウント作成やらログインを行っているが、冷静に考えてみたらかなり面倒な作業だ。今後何かを作る際は、登録もログインもないシステムを作らないとユーザの獲得は難しくなっていくかもしれない。
　今、準備しているゲームには実績機能を搭載しようと思っている。そのためには、当然個体識別が必要になる。それを登録やらログインなしで実現するにはどうしたらよいだろうか？
　前回同様乱数的なIDを振ってブラウザに保存させるのがベターな解決方法なのは間違いない。
　ただ、困っていることもある。それは別の環境にユーザ情報を移行できないということ。また、ブラウザに保存されているだけなので、履歴の削除で個体識別キーが消えてしまう。
　導入の敷居を極限まで下げた結果、データの保持性が大きく犠牲になっている。リカバー用のIDとパスワードを別途発行するという手段もあるが、そんなものをしっかりとメモする人がいるとも思えない。
　利便性を取るか安全性をとるか難しい岐路に立たされている。

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