カレンダー

2012/05
  
  
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

バラバラにならない

by 唐草 [2014/08/07]



 今年で、ぼくが携わって3年目になるある仕事がある。ぼくが書いたプログラムを使ってちょっとした実験を行っている。
 初めの年は、とにかく動くものを作って欲しいという依頼だった。用意されていた試作版は、無味乾燥としたHTML素のままの画面に難解なデータベース設計。そして複雑でミスの許されない操作が必要な代物だった。試作品は完全に無視して、新規で叩き直したのが1年目だった。
 2年目は、前年のプログラムの最適化とデザインの刷新を行った。これで、かなり評判は良くなってきた。そのかいもあり、今年も依頼が来ている。
 今年の修正個所は、初年度からもめているある機能の修正がメインだ。
 ぼくの書いているプログラムには、テストの成績からグループを生成する機能が付いている。それが、条件によってはクライアント側の意図通りのグループにならないとの指摘が入っていた。
 同じ成績の人間が固まらないように分散させるようにしているすると、かなりランダムなグループが出来てしまうと言われていた。一部グループに類似したスコアが集まることがあるという。
 そこで、分散を行う際のパターンを網羅的に書き出してみた。
 もう、これはアルゴリズムが云々とか数学的な話ではなく、単純に国語力の話だ。どういう状況を、人は分散と呼ぶのか。逆に、どうなっていれば分散しているとみなすのか。そういうことを書き連ねていった。
 その結果、ひとつの結論に達した。
 ぼくは、全グループ(50から100グループ)全体を見たときに、成績上位グループと下位グループが存在するようなグループを作るプログラムを書いていた。要するにグループごとの成績がばらつくようにしていた。
 一方、クライアント側のイメージでは、各グループ内の成績がばらつくことが重要で、全体を見渡すと同じようなバラつきをもったグループをたくさん作りたいということのようだった。
 双方の国語力が問題となり、暗礁に乗り上げていたこのプロジェクト。今年こそは、グルーピングの課題を完全に乗り越えたいものだ。