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2014/08
     
      

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白バラ

by 唐草 [2014/08/08]



 このブログの夏の記事を読み返せば、ぼくが大のかき氷好きだということが容易に理解できるであろう。毎晩かき氷機を回して、毒々しいイチゴシロップたっぷりの練乳イチゴかき氷を食べるのがぼくの夏の楽しみだ。よりおいしくかき氷を食べたいから、10kmぐらいサイクリングをして一汗かいてから食べるのが長年の流儀だ。
 でも、今年はあまりかき氷を作っていない。
 なぜか?
 飽きたのか?
 そうではない。強力なライバルを見つけてしまったのだ。
 それは、大山乳業という会社が発売している『白バラ練乳かき氷』だ。
 カップ入りかき氷なんて、氷のフワフワ感が無くてゴミみたいなものだと豪語していいたぼくを黙らせるほどのカップ入りかき氷だ。確かに削りたての氷が空気を含むフワフワ感は皆無。その辺は、カップ入りの宿命だ。でも、このかき氷はおいしい。今まで食べてきたカップ入りのかき氷の中では、間違いなくベストだ。
 『白バラ練乳かき氷』は、名の示す通り練乳味のかき氷だ。具材は何も入っていないし、かき氷らしい毒々しい色のシロップもかかっていない。
 容器のフタを開けると、真っ白な雪が詰まっているかのような殺風景な光景が目に飛び込んでくる。実に地味だ。
 このかき氷は、削った氷に練乳をかけたわけではない。練乳を溶かした水を凍らせて、その甘い氷を削ったものだ。一口食べると、うっすらと練乳の味がする。とは言え、なんか水に薄まったような淡白さを感じる。でも、この控え目な甘さがいいのだ。口の中がべたつくことはない上品な甘さ。
 そして1カップ食べ終える頃には、しっかりと練乳を堪能したと感じられる絶妙な甘さ加減なのだ。少しでも練乳が多かったら、べたつく甘さに飽きてしまう。少しでも練乳が少なかったら、単調な味に飽きてしまう。
 そんなギリギリのラインを攻めて商品化に成功した『白バラ練乳かき氷』。こいつのせいで、我が家のかき氷機は仕事を失いかけている。