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身近な罠

by 唐草 [2014/08/25]



 月曜だというのに飲み会に誘われた。自称フリーランスで8月は無職と同義と言って差し支えないぼくのような人間なら月曜から飲んでも問題はないだろう。でも、ぼく以外の参加者はまっとうな社会人だった。週の頭からこんなに飲んで平気なのだろうかという無職の心配を他所に飲んでいた。
 ぼくのように飲める状況にある人間は、酒に弱くほとんど飲んでいない。一方、飲みたい人は、明日の心配をしながら飲んでいた。
 まぁ、飲みたい人が飲んで、飲みたくない人は飲まない。これは至極健全だ。飲みたい人が飲めない状況で、飲めない人が飲める状況。そう考えると世の中理不尽なものに見えてくる。
 ぼくはほぼ素面なのでちゃんと終電の時間を調べて帰路に就いた。タクシーで帰ったり、満喫で一夜を明かすなどといった浪費はしない。
 計画通りの時間に地元の最寄り駅にたどり着いた。
 ここまでは良かったのだが、ここから先で大きく躓くことになろうとは。
 ぼくは駅まで自転車で出ていた。駅の近くの有料駐輪場に自転車を止めていた。
 駐輪場に入ろうかと思ったらシャッターが下りていた。えっ!?入れない?
 駐輪場の出入口は2か所あるのでもう一方に回ってみた。夜間なので出入りを制限しているだけかもしれない。
 だが、もう一方もしっかりとシャッターが下りていた。そして、そこにはこう書かれていた。
 AM1:00まで営業。
 眉をしかめながら携帯を取り出し、時間を確認する。
 表示された時間は、1:05。
 なんてこった。5分オーバーか。
 こんなところに罠があるなんて想像もしていなかった。タクシーで帰ろうかと思ったが、どうせ自転車を引いて帰るつもりだったので歩いて家へと戻ることにした。
 深夜の散歩、楽しいね!