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フルートジジイの成長

by 唐草 [2014/09/12]



 過去に書いたことがあるが、自宅裏のアパートにフルートを趣味としている爺さんが住んでいる。これを書いている今も、フルートを吹いている。
 ぼくが初めてフルートジジイに気が付いたのは、ピピピという情けない目覚ましのような音が聞こえてくるという事実に気が付いたとき。何の音だか分からなくて、相当首をひねった記憶がある。
 その後、そのピピピという音は、フルートの基礎練習的な音出しだと分かった。
 で、肝心の演奏の方だが、これが残念ながら全然ダメだった。フルートを吹いているのに祭囃子の和笛のような音にしか聞こえない。広がりのある柔らかいフルートの音ではなく、甲高くとがったピーヒャラとでもいうような音だ。
 趣味でやっている素人の音なんてこんなものなのだろう。
 そう感じてから何年たっただろう。爺さんは、飽きずにフルートの練習を重ねている。
 最近、少しばかり上達のあとが見られるようになってきた。いや、聞こえるようになってきたと言うべきか。
 軟弱な目覚まし時計の音にしか聞こえなかった基本練習の音がだいぶ大きくなってきた。それに、単一な電子音という音質ではなく、笛らしさも出てきた。これなら、アラームか何かと聞き間違えることはないだろう。毎日毎日練習した結果、強い力で吹くことができるようになったのだろう。
 でも、いまだに演奏の方は残念な感じ。指を動かしながらだと吹く力が落ちてしまうのだろう。まだまだ祭囃子といった音色のままだ。
 しかし、この先が心配だ。音質の悪いまま音量だけ増えていくのではないだろうか?そうなったら、近隣トラブル待ったなしな展開が予想される。
 趣味で楽器を楽しむのも楽じゃないなぁ。