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角度が違う

by 唐草 [2014/10/24]



 米軍横田基地の近くにある大型店に買い物へ行った。3階の屋上駐車場からは、滑走路の一部が見える。本当に目と鼻の先と言った位置にある店だ。
 ここの屋上駐車場からは、米軍機の離発着がよく見える。横田基地は、空軍の補給基地なので離発着する航空機のほとんどが輸送機。空軍が保有する飛行機の中では地味な機体だ。それでも住宅街にある基地に大きな輸送機が着陸する様は大迫力だ。
 小さい頃、友人が基地の側に住んでいたので、ぼくにとっては見慣れた光景だ。大人になって今でもその迫力に目を奪われてしまう。
 買い物を終え、駐車場に戻ったらジェットエンジンの音が聞こえた。この音の感じは、離陸間際。離陸の瞬間を見られるかもしれない。そう思って、基地の方を眺めていた。
 地元民の経験に間違いはない。数分後に巨大な黒い影が基地から飛び上がっていった。ギャラクシーことC-5輸送機だ。本当にでかい飛行機。グレーの塗装のせいもあるが、本当に巨大な鉄の塊が空に浮かび上がっていくように見える。なんか壁かビルが空を飛んでいるように見えるほどの質量感だ。
 もう一機離陸しないかと待っていたら、別の方角からC-130輸送機が飛んできた。今度は着陸が見られるかな?そう思って、空に見えた点のような機体を目で追っていた。
 だが、明らかに高度が高い。完全に離陸コースから外れている。何回も着陸を目にしてきた地元民ならすぐにわかる通常とは異なる進入コースだ。
 いったい何をするんだ、このC-130は。
 固唾をのんで見守っていたら、高度を下げることなく悠々と滑走路の上あたり飛んで行ってしまった。
 その瞬間、驚くべき光景を目にした。
 輸送機から次々とパラシュートが飛び出してきた。5つのパラシュートがゆらゆらと左右に揺れながらゆっくりと落下していった。
 なんと降下訓練だった。
 航空ショーでしか見たことのなかったパラシュート降下。訓練を目にするのは初めてだ。横田でもこういう訓練をしているのか。買い物そっちのけで、お手軽航空ショーを楽しんでしまった。
 なお、C-130は大きく旋回して第2陣もばらまいていた。訓練でどれだけのパラシュートを降下を行うのだろう。ちょっと気になったが、日暮れまで見ている訳にもいかなかったので、後ろ髪を引かれつつも撤収した金曜の午後。