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鳥が群れる

by 唐草 [2014/11/09]



 ここのところ夕方になるとムクドリが大挙して飛んでくる。家の近くの電線にびっちりと止まっている姿は、鳥肌が立つほど気持ち悪い。まるで電線に大量の腫瘍ができたようだ。フンの被害はまだ出ていないので実害はないけれど、ぼくのような鳥好きでも気持ち悪いと感じるほどの群れだ。鳥が好きでない人にとっては、ヒッチコックの映画のような悪夢に見えていることだろう。
 そんなムクドリの群れに対してひとつだけ疑問がある。やつらはどのように集合するのだろう?
 定時集合の予定を立てているとも思えない。リーダー格がいるのだろうか?
 気になったので、ここ数日夕方の空を眺めていた。
 そしてある傾向が見えてきた。
 夕方になると、散発的に5羽程度の小さな群れが、鳴きながら旋回を始める。すると、その小さな群れに単独行動していた鳥が次々に合流していく。こうして徐々に群れが大きくなっていく。
 そんな群れがいくつかできてくると、今度は群れと群れが合流を始める。小さな群れは、次々に大きな群れへと合流をしていく。その結果、群れ全体で一つの生き物であるかのような状態になっていく。
 観察の結果から導き出される結論はこうだ。一か所で巨大な群れが発生するのではない。小さな集団が次々に集まって徐々に群れが大きくなる。
 この動きを見ていて思い出したのは、宇宙で小惑星ができるプロセス。小さな塵が集まって少し大きな塊がいくつもできていく。そして、塊がどんどん合流してやがて小惑星へと成長していく。この流れに似ているように思えた。
 群れが形成されるプロセスはなんとなくわかった。集合の号令を全員に出しているようなリーダー格の鳥がいないことも分かった。
 でも、まだ分からないことがある。
 ムクドリたちは、いったい何のためにあの群れを形成するのだろう。ひとしきり集まったら、すぐに解散しているようにも見える。点呼でもとっているのだろうか?そんな風にも見えてしまう。