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エコパッケージ

by 唐草 [2014/11/18]



 自転車のスピードーメーターの電池を買いに行った。ボタン電池を買うときは、いつも緊張感に襲われる。普通の乾電池みたいに単3とか単5みたいに分かり易い名称と差の分かる形状ならこんな緊張感に襲われることはない。ボタン電池はそうじゃない。そっくりな形で何種類も売っているし、名称も難しい。
 昔使っていたフィルムの一眼カメラに使っていた電池は、LR44という電池だった。でも、SR44も使用できた。これは電池に使用している金属が違うが、サイズと電力は同じなので互換性があるから起こる事態。実にややこしい。
 今回ぼくが探していたのは、CR2032という電池だ。薄いタイプの電池なので正確には、ボタン電池ではなくコイン電池と言うらしい。
 CRと名の付く電池はたくさんある。CR2032、CR2025、CR2016、CR2450といった感じだ。類似したこれらの名前を見ていると、売り場でいつも自信が無くなってしまう。メモ書きをチラチラ見ながら電池を物色する姿は、さながら自信のない万引き犯のようだろう。
 幸いなことにCR2032は、使用される機会の多い電池らしい。コイン電池売り場で一番面積を占めているのは、たいていCR2032だ。いくつものメーカーがCR2032を販売している。
 同じ電池でもメーカーが異なれば、多少値段が違う。安いもので200円。高いもので250円ぐらい。この値段差がどこから来るのかは分からない。材質の違いかもしれないし、営業努力に由縁するものなのかもしれない。高いものの方が長持ちしそうな気がするという消費者の心理を突いた価格設定の可能性も捨てられない。
 でも、ぼくは一番安いものを買おうと心に決めていた。
 売り場を見ていたら150円という破格のCR2032が売られていた。これが、ノーブランド品だったら購入を躊躇ったかもしれない。でも、ラベル的には国内大手メーカーの品となっていた。
 しかも、安いのには別の理由があった。
 エコパッケージなのだ。
 通常のボタン電池は、プラスチックのカバーが付いたケースで売られている。一方、安いこの電池は袋に入っているだけ。その簡易包装をエコパッケージと称しているらしい。
 つまりだ、あのハードケースに50円も払っていた計算になる。家に帰ったら捨てるだけのあのケースに50円も!贈答用の化粧箱かよ!