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2014/12
 
   
       

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ど忘れ

by 唐草 [2014/12/12]



 残念ながら専門でない分野の授業を任される事もある。今日の授業がまさにそれだった。
 InDesignの使い方を教えるという授業だった。
 InDesignといえば、Adobe CCのソフト群の中でも専門性が高いソフト。PhotoshopやらIllustratorなんかは趣味で使っている人も多いだろうが、InDesignは用途が限られたプロツール。出版界隈の人でなければ、まず触ることは無いだろう。ぼくだって、学生時代に少し課題で使っていたぐらいだ。CS1しか使ったことが無い。仕事で使った経験は、全くない。
 そんなぼくが、最新のInDesign CC 2014を教えるというのが第1の無理。
 次に無謀なのが、その講座の受講生の多くは、PhotoshopもIllustratorもほとんど使ったことのない学生ばかり。Adobeツールの基本すら知らない学生に、上位ツールのInDesignから始めるのは無謀すぎる。
 日本語しか話せないぼくが、漢字が読めそうだからという理由だけでアメリカ人に中国語を教えるのと大差ない感じさえする。
 ここまででも波乱が予想されるが、悪い知らせはまだまだ終わらない。
 なんと、ぼくの担当は2日で4コマ分、360分しかない。
 InDesignをたった6時間で使えるようにして欲しいだって?寝言は寝てから言えよと本気で言いそうになった。が、仕事なので渋々授業へ向かった。
 だが、負の連鎖は止まらない。「初めの1コマは別の課題に使わせて」との教授からの申し出で60分消えた。さらに学校のPC環境が変わったために学生がログイントラブルに巻き込まれて20分ぐらい失われた。もう、ボロボロだ。
 でも、たたき込めるだけたたき込んでやる。という意気込みで、駆け足で授業を勧めていた。
 が、それも突如停止した。
 ぼくが、InDesignの機能を忘れていたのだ。
 和文縦組みの際の欧文文字回転設定がどこにあるかを完全にど忘れした。普段使っていないからこういうミスが起こる。ぼくの中では、画面の右真ん中あたりにあるパネルのオプション欄にあるという認識だった。でも、それはカスタマイズされたぼくの画面での話。初期設定では、その位置にそのパネルは無かった。
 久々に焦った。
 焦るとますます思い出せなくなる。
 先生であるぼくがフリーズしかけたので、急遽休憩を入れる。
 冷静になればすぐに思い出せるものだ。段落パネルのオプションだ。テキストグリッドを選択すれば、上部ツールバーに出るではないか。なんでこんな基本をど忘れしてしまったんだろう。
 負の連鎖はどこまでも続くと言うことなのかもしれない。