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学生イジメ

by 唐草 [2015/01/15]



 さーて、今期もこの日がやってきた。15分のショータイム。ぼくは、この日を楽しみに半期頑張っていると言っても過言ではない。年に2回のお楽しみの日だ。
 ぼくはこの日を密かに「学生イジメ」と呼んでいる。
 始めに断っておくが、実際に学生をいじめている訳ではない。ちょっと刺激の強い方法で授業を行うので、学生が豆鉄砲を喰らった鳩のようにポカンとしてしまう。その様子があまりにも一方的なので、個人的に「学生イジメ」と呼んでいるのだ。
 ぼくの担当している授業は、大まかに言えば電子書籍を作る授業。グループワークの授業で、書籍のテーマは学生が自由に選ぶことができる。各個人の得意としているジャンルを選ぶので学生ごとの特徴がよく分かる。
 ちょっと脱線するが、その傾向を書いておこう。理系の大学なので基本的にオタクな感じの学生が多い。そのため、オタクを隠す雰囲気はない。見た目からしてオタクっぽい学生のグループは、ゲームとかアニメをテーマに掲げることが多い。一方、その対極にいるオシャレ意識が高そうなちょっとチャラい学生は、ファッションをテーマにする確率が高く、ファッションでなければほぼスポーツだ。残りのマジメ君たちは、男女を問わず料理か旅をテーマに選ぶ。この傾向は、3回授業を行ってきたが毎回変わることがない。
 テーマ選択が自由だと学生のやる気は出るのだが、ひとつ大きな問題がある。
 それは、自分の作品と他人の作品の比較をしにくいことだ。
 共通テーマだと他の人がどんなアプローチをしているのかを知ることができる。それによって自分たちの強みや弱みを理解出来る。でも、全員がバラバラでは他の方向性を知る機会が発生しない。
 ぼくは、絶対に他のアプローチをした作品を見るべきだと考えている。それができるのは、学校だけだ。
 という訳で、授業の最終回にぼくが学生の作品を魔改造したものを見せるようにしている。プロが押さえるべきポイントを押さえて作ると同じテーマでもこれだけ変わるんだということを見せつける時間だ。毎回のことだが、教室が静かになっておもしろい。初めてデザインを体験したレベル1か2のひよっこを鋼の剣でなぎ倒すような一方的な時間となる。まぁ、そういう刺激も良いでしょう。
 なお、全グループ分作る余裕はないので3グループだけに限っている。ピックアップされたグループのダメージが多きそうなんで、イジメと称している次第だ。