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文庫本の行方

by 唐草 [2015/01/24]



 そういえば、PCの上に無造作に放置していた文庫本が行方不明になっている気がする。
 自分で買ったものでは無く、読み終わったからと譲り受けたミステリー小説。作者は覚えているが、タイトルは記憶にない。割と厚めな文庫本だったような記憶がある。表紙は、緑色っぽいような気がするが自信はない。
 猫に落とされでもしたのだろうかと思って机の周りを探してみたが、どこにも本は落ちていなかった。読んでないけれど、本棚にしまったのだろうか?それとも読む気が無いので、読む前から古本屋へ持っていくための箱に詰めてしまったのだろうか?可能性がありそうな場所を片っ端から調べてみた。
 その結果、思いもよらない成果があった。
 まったく読んだ記憶のない文庫本が2冊発見された。どちらもミステリー小説。一冊は本棚から。もう一冊は売り本箱から。
 このうちの一冊が記憶の中にある本だったら話は早いのだが、あいにくそう都合良くは話が進まない。
 ぼくが覚えていた作者の名前が書かれている文庫本は、かなり薄い。一方、記憶に合致する程度に厚い方の文庫本には、別の作者の名が記されている。そして、どちらの本も緑色の表紙ではない。
 本の厚さと作者の名前は、完全に記憶違いということもある。でも、緑色の表紙の記憶はいったいどこからもたらされたのだろう?
 実は、もう一冊行方不明になっている文庫本が存在しているのだろうか?
 そもそも2冊も文庫本が出てきた時点で想定とはだいぶ異なる展開になっている。もう一冊ぐらい出てきたって全然不思議はない。もう一度、本棚や箱を総ざらいしてみたが、めぼしい収穫はなかった。
 ただの思い違いなのだろうか?それとも本当に行方不明の本が存在するのだろうか?なんだか、見つかった2冊のミステリー小説の中身よりおもしろそうな展開になってきた。