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逆に真実のパターン

by 唐草 [2015/02/12]



 オレオレ詐欺に良くあるパターンは、「会社の金を使い込んでしまったので、資金援助をして欲しい」というものらしい。
 身内の恥を隠したいという心理も働くのだろうか?バカな息子の愚行をカバーしようとして多くの老人が引っかかっているのが現状のようだ。もちろん実際にお金を渡してしまう事例は、未遂を含めたすべてのオレオレ詐欺のなかでもわずかかもしれない。それでも、何件もの事件が起きている。
 ここで気になることが2つある。
 まずひとつは、騙されたことにすら気がつかないで事件として発覚していないパターンがどの程度存在するのかということ。騙されたことに気がつくからこそ事件となる。気がつかないで表面化せずに終わってしまうオレオレ詐欺だってきっとあるに違いない。
 もうひとつ気になるのは、逆のパターンだ。
 本当に息子が実の親に対して金の無心をしたのだけれども、警戒心の強い親が警察に相談してしまってありもしない事件が発生したパターンが存在するかという疑問だ。
 このパターンが発生すると、それはそれで家族の関係が荒れそうだ。刑事事件は起きてこそいないが、誰も幸せになれない展開が待っている。真実しかないはずだったのに疑心暗鬼の果てに行き着く家族の闇。そんな悲しい事件が、日本のどこかで起きているのではないだろうか?
 いや、きっと起きているだろう。
 なんの根拠もないけれど、断言したい。詐欺が成立すると言うことはそれだけリアリティーがあると言うことだ。様々な理由で金の無心が起きていることは間違いない。だとすれば、詐欺を恐れるあまりに過剰に慎重になり事実を事件に仕立ててしまうケースもあるように思えてならない。
 もし、ぼくの危惧する「真実の援助要請を事件化する」人がいたら、その人は慎重派と呼ぶべきなのだろうか?それとも、オレオレ詐欺に引っかかる人と同様に焦ってしまうタイプと呼ぶべきなのだろうか?この疑問に自分なりの答を見いだせないでいる。