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さすがにホットを

by 唐草 [2015/02/18]



 今日の寒さは本物だったと思う。
 ぼくは水曜日だけある会社へ出向している。その会社は、良い会社なのだが1つだけ問題がある。ぼくの席が暖房の吹き出し口の真下なのだ。まぁ、週に1回しか顔を出さない人材に良い環境の座席は提供できないという事だろう。席があるだけ幸せだ。
 そんな席なので、冬でも異様に暑い。普段と同じようにヒートテックを着ていくとのぼせることになる。過去に数回気持ち悪くなった経験がある。暑いからといって暖房の温度を下げると、ぼくの席は快適になるのだが、フロア全体が寒くなってしまう。するといつの間にか温度が戻されている。結果、再びぼくが席を立つ。果てなき戦いが繰り広げられるようになる。これは業務に支障が出ていると言って差し支えない状況だ。
 だからぼくが折れた。
 寒くてもヒートテックを着ないで出社している。コートの下にジャケットを着るなどして職場で脱ぎやすい服装で仕事に臨んでいる。駅まで自転車に乗っている間が少し寒いが、それさえ我慢できればあとは問題無い。
 そんな暑い場所で仕事をしているので、冬であっても暖かい飲み物を持ち込むことは無い。冷たい飲み物がちょうどいいし、ノロノロ飲んでいるとあっと言う間にぬるくなってしまう。
 だが、今日は違った。
 事務所が暑いことは予想できたのだが、ヒートテック無しでは外に出られないような寒さだった。アウトドア用のジャケットを着込みたいほど寒かった。職場の最寄り駅を降りたら強い風が吹いていた。駅から事務所まで5分程度歩く間に体は凍えてしまい、いつもは冷たい飲み物を買うコンビニでホットのコーヒーを買ってしまった。
 これから暑い場所へと赴くことが分かっているのに、目の前の寒さに耐えられなかった。
 だが、結果から言えばこの判断は正しかった。
 今日ほど寒いとオフィスも暖まりが悪い。季節を問わず腕まくりをしているのに今日はそんなことはしなかったし、足下の冷えを感じた。
 暑さに弱いので、暑い場所に備えて身支度をしているこのぼくが着込んでホットドリンクに手を出す。これは、紛う事なき寒さの証明。