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不景気を実感

by 唐草 [2015/02/25]



 「来年度の契約に関していくつか話したいことがある」と取引先に伝えていた。日程が決まったら、向こうからも「来年度からの契約について話さなければならないことがある」という意味深な回答が返ってきた。
 これは、荒れるな。ぼくの直感が囁いていた。
 悪い方の予想に定評があるぼくの勘は今日も冴えていた。でも、ここまで大荒れになるとは想像もしていなかった。
 ぼくの側の要求はたいしたものでは無い。まずはスケジュールの変更。それと確保できる時間が減ってしまうので、契約の範囲を縮小してもらいたいという要求だ。そこからの賃金交渉が、今日の戦いとなるはずだった。額面が減ることは承知で交渉に臨んでいる。問題は、下げ幅をどこまで抑えるかということだ。プランをいくつか携え社長室に臨んだ。
 こちらからの要求を話した後、会社側からもたらされた話は、顔が半笑いのまま固まるような内容だった。
 今年度末をもって、会社の解散が決定したとの事だった。
 幸いなことに倒産ではないらしい。ぼくが契約していたのは、ある外資の企業の日本代理店。日本での売上が芳しくないので、本社は日本での営業撤退を決めたそうだ。
 寝耳に水とはこういう事を言うのだろう。業績が芳しくないのは知っていたが、まさか日本撤退を決断するほどだとは思っていなかった。日本を切ったところで本社の経営が回復するとは思えないのだが、その判断はぼくのうかがい知るところではない。
 という訳で、4月からのお仕事をひとつ失ってしまった。
 ぼくは、フリーランスとしていくつかの会社と仕事をしたり、学校での仕事があるので致命的なダメージは受けていない。明日からスーツを着て履歴書片手に走り回るなんてことにはならない。体力の1/3ぐらいを奪われたと言ったところ。RPGだったらまだHP表示は、白いままだ。
 不景気だという話はあちこちから聞こえてくる。実感はあまりなく他人事だった。それも昨日までの話となった。