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放送大学

by 唐草 [2015/02/27]



 親が「見たいテレビがない」と文句を垂れていた。リモコンを操作して各局の番組表を見ているが、どうもおもしろそうな番組がないらしい。
 操作を続けているうちに番組表は、放送大学のところまで来ていた。
 その時放送されていたのは「プログラミングの基本」というような感じの番組。どんなことをやっているのか気になってしまった。ちょうど始まるところだったので、ぼくが「見る番組がないなら見せてくれ」と謎の提案をした。その結果、食後にプログラムの授業を鑑賞することとなった。
 結論から言えば、とてもおもしろかった。もちろん、普通に見ていた訳じゃ無いのだけれども。
 授業の内容は「基本的なソート」だった。並べ替えアルゴリズムの基本。これは、プログラムを学ぶ際に誰もが経験する必須項目。初めてアルゴリズムによる実行速度の差を知る良いテーマなのだ。
 ぼくは、この内容を授業で扱ったことがある。習ったし、教えている。この内容なら、今この瞬間からでも90分の授業を行うことができる。
 だから、テレビの中にいる先生がこれからどういう順番で何を話そうとしているのかが、手に取るように分かる。だから、ツッコミを入れながら授業を見ていた。
 先生が「今日は、基本的なソートについてお話をします」といえば、「バブル、インサート、あとセレクションだな?」と次の展開を予想。ソートの話に差し掛かろうとしたら「この先生、今から安定ソートの話すると思うよ。たぶん、成績表を例にして」と次の展開をまたまた予想。こんな感じて、ドンドン次を読んでいく。気持ちいいほどに予想が当たる。テレビの中では鉄板の授業を過不足無く展開しているだけなのだが、まるで自分がすごい予知能力を手に入れてしまったかのような気分になれる。
 番組中盤で、もっとも単純だか遅いバブルソートの実行速度の紹介をしていた。core i7のマシンで12秒かかっていた。贅沢すぎる実行環境に驚いてしまったが、次の展開は予想できた。「クイックソートとの速度比較だな。この環境なら0.03秒ってところだろう」と得意気に予想を立てた。が、結果は大ハズレ。内容は予想どおりクイックソートとの比較だったのだが、0.05秒も実行時間がかかっていた。0.03秒と予想したのに予想精度が、30%もずれているなんて恥ずかしすぎる。
 と、こんな具合にツッコミを入れながら見た放送大学の授業は、おもしろかった。この講義を見てコードを書けるようにはならないが、基本を丁寧に押さえていく説明には見習うべきところがいくつもあった。自分の得意分野の授業が都合の良い時間にあったらまた見て見たいと思う。