カレンダー

2015/03
    
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

メルセデス

by 唐草 [2015/03/05]



 本日の画像を見てブランド名を答えなさいと問われたら、多くの人が「ベンツ」と答える事だろう。もちろん正解だ。でも、それは日本だけのこと。ヨーロッパだとほぼすべての人が「メルセデス」と答える事だろう。正式な名称は「メルセデス・ベンツ」なのだが、日本では「ベンツ」が定着して、それ以外のところだと「メルセデス」が優勢となっている。なんでこういう差が生じたのかは分からない。
 ただ、こういう名称の差があるおかげで、「メルセデス・ベンツ」の呼び方をちょっとした識別に利用することができる。
 自動車への興味があるか無いかを即座に判断できるのだ。
 自動車が好きだと海外のモーターショーの情報を仕入れたりF1を観戦したり、イギリスの自動車番組を見たりとヨーロッパ市場に触れる機会が増える。そうすると必然的にヨーロッパでの呼称を耳にする機会が増える。無免許なくせにイギリスBBCの『TOP GEAR』が好きなぼくも、毒舌司会者が「メルセデス」と呼ぶのを耳にしているうちにシルバーアロー=メルセデスという認識になった。
 日常会話でドイツ車の話題が出ることは稀かもしれない。でも、もしそんなレアな機会に遭遇したら耳をすませて欲しい。相手が「メルセデス」と言っていたら、それはヨーロッパかぶれの自動車オタクの可能性が高い。ヘタなことを話すと話が長引く危険があるので、自動車に興味が無かったらドイツつながりということでビールかソーセージの話にでも話題を変えた方が賢明だ。
 このメルセデスのように、ちょっとした一言で相手を見極めることができる試金石のような言葉がある。
 パソコン界隈だと長らく「ASUS」がその地位を担ってきた。ぼくは、15年ぐらい前から自作PC界隈をフラフラしているので「ASUS」を見ると、ついついクセで「アサス」と読んでしまう。これも、日本市場でだけ広まった読み方で、しかも間違っている。紆余曲折あったのだが、今は「エイスース」が正式な読み方とされている。「ASUS」のロゴを見てどう読むのかを聞いたり、あえて「アサス」と読んでどんな反応を返してくるのかを確認すれば相手のパソコン歴が読み解ける。
 きっと他の分野にもこんな試金石のような言葉があるのだろう。いったいどんな言葉がその役割を担っているのだろう。