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お別れは一番大切なときに

by 唐草 [2015/03/09]



 お別れは一番大切なときにやってくる。
 しんみりしそうな書き出しになったが、別に誰かと死別したというわけではない。
 プリンターが壊れたのだ。確定申告を印刷しなければならないという、この致命的なタイミングで。
 前から書いているとおり、我が家のプリンターは調子が悪かった。インク漏れが続いていて、常にプリンターヘッドを外して保管していた。ヘッドの認識が甘くなっていて、装着してもヘッドが外れているという警告がなかなか消えないことも多々あった。そんな状況ながら、どうにか印刷を続けてきた。
 昨年末には年賀状を刷った。毎月請求書を刷っている。先日は、大量の封筒に差出人の名前をあらかじめ印刷しておいた。コツさえつかめば、どうにか印刷できていた。
 とは言え、もう先が長くないことは予想できていた。でも、せめて昨年末に購入したインクが無くなるまでは延命したかった。その思いは届かなかった。
 世間一般で言われているジンクスの通り、我が家のプリンターも一番大事なとき、それなりの額の還付金がかかった確定申告書を印刷するという大事な使命を帯びたその日に力尽きた。
 しかし、このプリンターは長持ちしたと言えるのかもしれない。Canon PIXUS 6100iを使っていたのだが、これは10年以上前に購入したはずだ。まだ学生だった頃、課題でA3出力をする機会が多かったので、当時はまだ少なかったA3対応モデルを購入した。
 感傷に浸っている時間はない。すぐにプリンターを買いに行かないと。いや、PDFだからコンビニ印刷でもいいのかもしれない。だが、葉書印刷をすることもあるし、守秘義務契約の書類を刷ることもある。コンビニ頼りは、コストパフォーマンスはいいかもしれないが、不便も少なくない。やはり、プリンターを買うべきだろう。
 そう思い最新モデルの価格を調べて驚いた。
 A4サイズのエントリーモデルは3,000円台から売られている。昔買ったプリンターと本当に桁が違うお値段だ。だが、喜ぶのはまだ早い。インクのお値段が跳ね上がっている。黒とカラーインクをあわせると4,500円ぐらい。プリンター本体よりも高い。インクで儲けるビジネスモデルが究極まで進化したような価格設定だ。
 ランニングコストも含めて色々試算したが、結局3,100円のCanon PIXUS ip2700を購入した。インクを買い換えるよりも、本体を買い換えた方が安いという謎なモデルだ。あまりの安さに、騙されているんじゃないだろうか?という気持ちが拭えないでいるのもまた事実。
 そんな疑いは、クッキリ印刷された確定申告書を見てキレイに吹き飛んだ。