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無計画の代償

by 唐草 [2015/03/18]



 なんの準備もなく高尾山に登ってきた昨日。
 翌日の今日は、筋肉痛地獄だった。右足のかかと付近の筋肉を痛めてしまったせいか、普通に立っているのが辛い。つま先立ちで歩いた方が楽だという奇妙な状況に陥っていた。他にも股関節が痛く、歩行が困難だと言って差し支えない状況でもあった。
 この症状が出始めたのは、一晩経ってからではない。実は、山にいた頃から薄々変調を感じていた。
 勢いで山頂に着いた頃から股関節の違和感には気がついていた。普段ろくに歩かないのに、一気に坂道を登ったのであっさりとダメージを受けたようだ。だが、痛みというレベルではなかった。
 だが、それは帰り道に牙を剥くことになった。
 よく登山は下山の時の方が負担が大きいという話を聞く。その意味を知識ではなく、体験として理解することとなった。
 急な下り坂をゆっくりと安全に下りるためには、重力に負けないように足を踏ん張る必要がある。一歩一歩ブレーキをかけていくような感じだ。坂道でのブレーキは、たぶん股関節の仕事。下り坂に差し掛かったとき、ぼくの筋肉はすでに疲労困ぱいだった。一歩一歩ブレーキをかけていると股関節の筋肉が、「遅かれ早かれやばいことになるよ」と危険信号を発していた。
 ぼくは体の危険信号に従って股関節の力を抜いて下山をすることにした。
 この判断が正しかったのか、間違っていたのかは分からない。結果として、ほぼ走るような状態で下山する事となった。ブレーキのきかない暴走特急状態だ。普段走る事はおろかろくに歩きすらしないのに、走って下山という愚行をしてしまった。動いている間は、重量の力をかりてハイペースで動き続けた。それは、あくまで下り坂の力でしかない。
 平地にある駅に着いたとき、ぼくは自分の負ったダメージの大きさにようやく気がついた。
 駅の階段が、手すり無しには上れなかった。階段一段分さえ足を上げるのが困難な状況になっていた。重い。自分の足が、自分のものとは思えないほどに重い。足を引きずるように家路についた。
 その結果が、今日の筋肉痛。寝返りをうつことすらできなかった。パジャマのズボンを手で引っ張ってどうにか姿勢を変えていた。
 もっと自分の能力を把握しないと近いうちに大きな怪我をしてしまいそうだ。