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何もかも間違っていた

by 唐草 [2015/04/08]



 長い休みの間にすっかり消え失せてしまったやる気を奮い起こして今年度最初の授業へと赴いた。担当は、授業開始日初日の1限目の授業だ。
 初っぱなも初っぱな。自分が学生だったら、8割ぐらいサボっていそうなコマだ。そんな学生だったので、教員になってもやる気は低めだ。遅刻せずにやってきた学生には、驚かされる。ぼくにはマネできないやる気だ。あれが若さか!と朝から驚嘆しっぱなしだ。内心、初日1限目から遅刻せず登校するやる気に対して単位をあげてもいいと思っているほどだ。まぁ、あげないけど。
 さて、この授業は今年度の最初の授業だということ以外にも「初」の要素を含んでいる。
 実は、ぼくはこの授業を初めて担当するのだ。
 何もかも初に溢れている。
 ハッキリ言って、ぼくからすれば暗中模索と言っていいような何もかも分からずじまいな状況で授業に臨むことになった。
 余談だが、偉そうに授業をしているが教材を渡されたのが授業開始5分前とかそういうことはザラにある。
 新年度は、いつでも混乱がつきものだ。でも、今日の段取りの悪さは最悪だった。
 授業を取り仕切っている教授から「A棟の8階にある準備室にレジメと名簿を置いておいたので取りに来るように」とのメールが届いていた。時間に余裕を持って8階に行ったのだが、困った事が起きた。
 準備室がない…。
 何度確認しても準備室はない。不審者のように3往復しても準備室は見つからなかった。
 もしやと思って、7階を確認するが準備室はない。もう生きた心地がしないような気分で6階に下りたら準備室をようやく発見。このせいで10分ほどロスをする。
 急いで別の棟にある教室に戻ってレジメを配る準備をする。
 レジメの枚数は足りたのだが、肝心の名簿が入っていない。慌ててA棟の6階まで戻る。エレベーターは混雑していたので階段をダッシュ。事務の人に名簿はどこだと問い合わせるが、そんなものは預かっていないとあしらわれる。名簿類は、少し離れたB棟の教員控え室にあると思うと言われ、階段を駆け下り、雨の中控え室に向かって走る。
 幸いなことに控え室に名簿はあった。が、ぼくが学校中を走り回って名簿を手にしたときは、すでに授業開始時間を過ぎていた。
 結局、教授からの指示は何一つあっていなかった。階も違うし、棟も違う。おかげで朝から数百メートルを全力疾走。なんて新年度の始まりだ。