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最悪のタイミング

by 唐草 [2015/04/23]



 学校で食事をする際は、当然学校の食堂を利用する。学校の食堂といっても学食で学生に混じって食事をしているわけではない。教員は教員らしく教職員食堂を利用している。
 教職員食堂と普通の学食の違いは、ずばりメニュー。「揚げ物かラーメンでも食わせて若者の胃を満たせ!」っていうオイリーな思想で運営されているのが学食。一方の教職員食堂は、揚げ物以外の選択肢がある。年配のメタボが気になる先生への配慮か魚料理も提供されている。
 教職員食堂はあまり大きくはない。だが、教員が食事をできる時間は限られている。タイミングが悪いと多くの先生が同じタイミングで食堂に押し寄せ大混雑してしまう。
 今日がまさにそんな日だった。食券の券売機の前に教員の列ができていた。
 今、この列に並んで昼食をとったとしよう。そうすると絶対に相席になる。ぼくのように1人で来ている人間は少ないので、別の先生グループに混じって食べることを強いられるハメになるのが目に見えている。
 ハッキリ言って、そんな肩が凝りそうな昼食はイヤだ。
 幸いなことに今日のぼくは午後の授業はない。お昼がどんなに遅くても問題は無い。
 という訳で、食券の列に並ぶのは諦めて食堂が空くまで30分程度待つことにした。
 お昼休みももう少しで終わりというタイミングで食堂へ戻った。計画通り混雑はなくなっていた。
 だが、なくなったものは混雑だけではなかった。
 今日はカレーが食べたい気分だった。カレーの食券を買って配膳窓口へ向かった。
 なんだか列が騒がしい。食堂のおばちゃんと知らない先生が何かを話している。
 どうやらぼくの2人ほど前で食堂にあったお米がすべて切れてしまったらしい。もう米を使ったメニューはしばらく出せないという衝撃の事実が待っていた。
 順番が回ってきたぼくも同様の説明を受けた。次のお米が炊けるまであと5分ぐらいかかるらしい。
 5分待つか、さっさと麺類にするか迫られぼくはカレーを諦め差額を払ってラーメンを選んだ。
 ラーメンをすすり始めて数分後、食堂に炊きたてのお米が届いた。ぼくの3人後の先生はお米にありつけたようだ。
 見計らったようにピッタリとお米が切れた瞬間の食堂に飛び込んでしまったようだ。30分も待ったのに!