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台風6号の爪痕

by 唐草 [2015/05/12]



 急速に発達をして日本をかすめていった台風6号。結果から言えば、大きな被害は出なかった。
 ぼくとしては、翌日に大学が休講になるかどうかで朝から気をもんでいた。水曜日の授業が休講になったら振り替えの授業が待っている。休みになったから1回分チャラになるという訳では無い。振り替え授業は土曜日に予定されているが、土曜日はぼくにとって一番休みたい曜日だ。意地でも学校へは行きたくない。だから学生たちの願いとは裏腹に台風が平穏に過ぎ去り、通常通り授業が行われることを心から願っていた。
 その願いは、無事聞き届けられることになる。
 今回の台風でメディアに取り上げられるような大きな被害は、確かになかった。だからといって本当に何事も無かったかと言えばそれは嘘になる。ぼくは被害を受けたと声を大にして主張したい。
 東京近郊がもっとも台風の影響を受けていたのは22時から23時ぐらい。ぼくにとっては最悪のタイミングだった。外に出ていたわけではない。家でくつろいでいた。それでも影響を被ったのだ。
 毎週火曜日は22時から衛星放送で海外ドラマを見ている。これがぼくのささやかな楽しみ。
 台風がその楽しみを奪った。
 天高くから降り注ぐ衛星放送の電波は、台風の厚い雲と激しい雨に遮られて我が家のパラボラアンテナまで届かなかった。パラボラアンテナは、ただ雨に打たれているだけだった。テレビをつけてもノイズが入りまくりで、コマ落ちしまくった映像しか流れてこない。タイミングによっては完全に画面が消えてしまう。とてもじゃないけれど視聴に耐えられる状態ではなかった。悪天候に弱い衛星放送の弱点が露呈した形だ。
 台風の移動速度が上がって休講の可能性が無くなったと喜んでいたのも束の間、衛星放送が見られない悲しみに咽び泣いた。これが、ぼくの台風6号から受けた最大の被害。