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いの調子が悪い

by 唐草 [2015/06/22]



 今朝から、「い」の調子が悪い。ぼくも先週から胃の調子が悪くてコーヒーを飲むとひどい嘔吐感に襲われている。でも、調子の悪い「い」は「胃」のことではない。キーボードの"i"キーのことだ。
 なんだか"i"キーのテンションがやたら高くて、1回打鍵しただけなのにいくつも入力が入ってしまう。そのため、文章が「い」の字で溢れかえってしまった。この状態ではとてもじゃないけれど仕事にならない。メールを書こうとしても日本語がおかしくなる。
 問題を回避する方法としては別のキーボードを使用するという打算的で現実を直視しないアイディアもある。だが、できることならしっかりと問題を解消させたい。おぼろげながら原因の予想はできているし、解決を行うだけの時間もある。
 キーボードのキーとキーの隙間をよーく見てみると原因と思われる物の姿が見えてくる。
 年単位でメインテナンスを放置したキーボードは、埃にまみれていた。ぼくのように猫と暮らしていて、なおかつベッドルーム兼仕事部屋という埃の巣窟のような環境で使用すればどんな機器だって埃の海に沈むことになる。毎日使うキーボードだって例外ではない。
 金属のヘラを使ってキーを外していく。キーの下は、まるでフェルト敷きのような有り様だ。スイッチにも埃が挟まっている。すべてのキーを取り外して順番通りに並べていく。しっかり並べておかないと後で泣きを見るハメになる。
 キーが外れ丸裸になったキーボードに大胆にも掃除機をかける。フェルトは見る間に吸い込まれて、黒い本体が顔を出した。だが、掃除機だけでは不十分。隙間に入りこんだ埃は一般的な家庭用掃除機の吸引力では吸いきれない。
 しかたがないので、挟まった埃をピンセットで丁寧に除去していく。太く長い猫の毛が挟まっている場合もあれば、綿毛のような埃が絡みついていることもある。心を無にして百個以上のキースイッチひとつひとつをキレイにしていく。焦って強く引っ張ると埃が途中でちぎれてしまう。繊細に埃と対峙する必要がある。
 実に神経のすり減る作業だった。でも、その効果はてきめん。"i"キーは完璧に回復したし、その他の時々挙動の怪しかったキーも復調した。
 キーボードの手入れももっとまめに実行しないとなぁ。