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フワフワしてる

by 唐草 [2015/08/15]



 巨大イベントへの参加から一晩経過したが、まだフワフワした妙な高揚感から抜け出せないでいる。コスプレしたオッサンと6時間以上にわたって行動を共にするなんていう経験は、そうあるものでは無い。かく言うぼくも、共同出展者が準備してくれたかぶり物を頭の上に載せて5時間の間接客をしていた。本当は、着ぐるみの頭部なのだが、真夏にそんなものを被っていたらあっと言う間に熱中症だ。自分の帽子の上に載せて、巨大なかぶり物として利用させてもらった。普段のぼくだったら絶対にそんなかぶり物はしない。会場に漂う不思議な空気に飲まれた結果だ。
 その熱病のような空気は、一晩経った今でもまとわりついているように感じられる。
 ぐっすり寝たつもりだけれども、なんだか疲れが取れていないような、それでも目が冴えてしまっているような奇妙な感覚に囚われている。
 出展側として参加して分かったことがある。
 ぼくは、お客として参加しても絶対に楽しめないということだ。
 普通のお祭に行っても、食べもにすらお金を落とさないぼく。興味のない他人の制作物にお金を落とそうなんて考えは微塵もない。売っておきながらこう言うことを言うのはどうかと思うのだが、あんな薄っぺらい本や原価数十円のバッジに数百円支払える感覚がぼくにはどうも理解出来ない。
 お祭は参加しないと楽しさは分からないだろうし、あの会場は利益を求めて売買をする市場ではないことも分かっている。
 一冊でもおもしろい本を見つけようと血眼になって暑い会場を走り回るようなバイタリティーはぼくには無いし、そのバイタリティーを欲しいとも思わない。ぼくが実利主義すぎるのだろうか?それとも他人に対して無関心すぎるのだろうか?
 それらも楽しめない理由の1つだが、他人の製作物を買うと自分の負けを認めたような気分になりそうという理由も大きい。冷静に考えれば、スキルも知名度も絶対に負けている。でも、作る側の人間としての妙なプライドがそれを認めたがっていない。だから意地でも買わないという偏屈な考えが、ぼくの根底にはある。
 このちっぽけなプライドがある限り、お祭を楽しめないのだろう。