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最後の花火

by 唐草 [2015/08/22]



 今日は、この夏2回目の花火大会へ行ってきた。前回行った、遊園地の花火がタダ見できる地元民の穴場スポットへ再び一人で行ってきた。
 8月に入って以来、その遊園地は毎週末花火大会を開催していた。でも、それも今週末が最後。ぼくが花火を見に行くのも今日がこの夏最後だろう。
 穴場スポットは、今晩も賑わいを見せていた。中高生の友人グループ、小さな子供を連れた親子連れ、老夫婦。様々な人が集まっている。少ないが、ぼくのように一人で花火を見に来ている人もいるようだ。
 今日も花火を目と体で楽しんできた。大きな10号玉が炸裂するとハーフパンツの裾が震えるのがよく分かる。色鮮やかな花火を見に行くというより、空気の振動を体感しにこの場所へ足を運んでいるといっても過言ではないだろう。
 それにしても、穴場に集まっている地元民はよく訓練されている。ぼくを初めとして多くの人が、何度もこの場所から花火を見ているのだろう。アナウンスも何も聞こえないし、時計も見ていないのだけれども、打ち上げられる花火の種類から終了の時刻を見抜いていた。最後の大きな花火の煌めきが消えると、申し合わせたように皆が帰路へとついていた。
 前回花火を見てから3週間経っている。
 同じ時間に同じ場所に立つと季節の移ろいを感じられる。高台を吹き抜ける風にもう熱気は残っていない。穴場まで自転車をこいで汗をかいた体には、風が少しだけ冷たく感じられる。
 この夏最後の花火を見つめながら、夏の終わりも肌で感じられた。なにか、ひとかけらのもの悲しさの残る花火大会だった。今年も夏が終わる。