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いつもの髪型で

by 唐草 [2016/08/03]



 やっと髪を切りにいけた。
 毎日暇なような気がするのだが、いざ髪を切りに行こうとすると不思議と都合が付かない。月曜は定休日だし、火曜は隔週で休み。土日は混んでいるから行きたくない。こんなことを言っていると、実はぼくは忙しい毎日を送っているのではないかと言う錯覚にさえ襲われることがある。
 今利用している理髪店に通うようになってもう何年経っただろうか?年に3回か4回しか通っていないにもかかわらず、オーナーには顔を覚えてもらえたようだ。滅多に来ないレアな客として覚えられたのか?それとも平日の変な時間にばかり来るニート疑惑の客として覚えられたのだろうか?
 「今日はどうしますか?」と毎回聞かれる。おしゃれな人だったら毎回違う髪型をオーダーするのかもしれない。でも、ぼくは毎回ほぼ同じ髪型を指定している。夏は短めに、冬は少し長めにという些細な差があるぐらいだ。
 今日は、いつもと違うオーダーを試みた。
 「いつもの感じで」と常連を気取ってみたのだ。
 もし、これが通じなかったらちょっと気まずい感じになってしまう。でも、きっと通じるはず。そう信じてオーダーした。
 実は内心ドキドキしていたが、冷静さを装って「いつもの感じで」と言ったつもりだ。もしかしたら、ちょっとうわずっていたかもしれない。
 やはり相手は接客のプロだった。年に3回ぐらいしか訪れてこないレアな客の地味な髪型もしっかりと覚えていてくれた。よかった。