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ボッチ花火2016開幕

by 唐草 [2016/08/07]



 今年もやってきた花火の季節。
 やっぱり花火は、現地に行って鑑賞するのに限る。大きな花火大会の様子がテレビで中継されることもある。画面の中では世界トップクラスの花火がきらめいている。でも、その迫力なんて現地で体験する花火と比べたら無いも同然。自分の足を運んで見る地元の小さな花火大会の方が、ずっといい。
 花火っていうのは、光と音の両方を楽しむものだ。映像だけでは光しか楽しめない。火球が花開いた数秒後に届く、服を振るわせ腹の中まで響く炸裂音が無ければ花火の醍醐味は半減以下だ。
 今年も花火大会の季節となったので、毎年恒例の穴場まで自転車をかっ飛ばして行ってきた。もちろん、例年通りのボッチ花火。
 地元民にとっての花火会場である湖畔の堤防にたどり着くと、例年通りの人出があった。堤防の端にある柵には、5m間隔ぐらいで人が群れている。中学生ぐらいのグループもいれば、小さな子供を連れた家族連れもいる。不思議なことに、ぼくのようなひとり客も少なくない。お祭のような過度の賑わいはないが、それぞれ期待に満ちた高まりに包まれている感じが伝わってくる。
 夜の公園に集まる人々というと、ここのところポケモンGO勢ばかり注目されている。でも、今この堤防にいる人々は、スマホではなく空を見上げている。ありふれた自然な光景だ。
 花火の構成は毎年同じ。地元民もそれを心得ている。大会を締めくくる最後の一発が、どんな花火で、それが何時何分頃に上がるかをみんな把握している。だから、最後の大きな一発が打ち上がって、空に舞った火の粉が消えると同時に帰り支度が始まる。タダで花火を見ようと勝手に集まった人々が、何のアナウンスも無いのに一斉に帰り出す様は見事としか言いようがない。
 かく言うぼくもそのひとり。夜空に輝く金色の最後の一発を見届けると回れ右。これがローカルな夏の風物詩。