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現状復帰への道

by 唐草 [2016/09/14]



 長かったリフォーム工事も終わって、4週間ぶりの日常がやっと戻って来る。そう思っていたのだったが、それは大きな間違いだった。
 今の我が家は、引っ越し直後のようなありさま。リフォームを終えたリビングは、新築のようにピカピカで何もない。カーテンもソファーもないので自分の声が部屋に響いているのがよく分かる。
 部屋は整然としているのだが、これは純粋に物がないから。生活必需品すら置いていない。これではモデルルームと変わりない。日常を取り戻すためには、しまいこんだ家財道具をあるべき場所へと戻す必要がある。
 我が家の2階は倉庫のように段ボール箱で溢れている。すべて1階から運んだ家財道具が入っている。ぼくの自室兼仕事部屋も部屋としての機能を失うほどに段ボール箱で溢れている。電気の問題もあったが、椅子を引くすベースがないという空間的な問題もあって仕事は一切できなかった。
 机の下もベッドの下も段ボール箱で溢れている。部屋でテトリスでもやっているのかと思うほどに緻密に、そして入り組んでものが置かれている。これを運び出すまでぼくの日常は戻ってこない。
 段ボール箱を自室から運び出せば、ぼくの部屋だけは日常が返ってくる。でも、運び出すだけではリビングはカオスな状態となる。工事前に3週間かけてゆっくりと片付けた物を戻すまで本当の日常は返ってこない。
 工事こそ終わったものの、ぼくの中のリフォームはまだ続いている。今度は整理整頓と取捨選択の毎日が始まる。すべてが片付いたと胸を張って宣言できる日がいつになるかは、ちょっと想像もつかない。