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轟音の正体は

by 唐草 [2016/09/17]



 いつも散歩で行く近所の公園で秋祭りが開催されているとの情報を入手したので、散歩がてらお祭を見に行った。通い慣れた公園のはずなのになんだか久しぶりに感じられた。夏前は毎週1回は足を運んでいた公園だったが、リフォーム工事が始まってからは一度も寄っていなかった。と言うことは、1ヶ月ぶりということになるのか。それじゃあ、久しぶりな感じがしても不思議はない。
 幸運にも良い方向で天気予報が外れて、それなりの天気になったため公園は大勢の人で賑わいを見せていた。
 お月見をテーマにしている秋祭りなのだが、やっていることは他の季節のお祭と大差ないようだ。地元の商店の出店が、粉物や焼き鳥を売っている。特設のステージでは、学生グループや市民団体が演奏などをしている。夜になればお月見要素があるのかもしれないが、まだ日の高い時間なのでこれといった特徴は見られない。よくある市民まつりと言った雰囲気しかない。
 味が容易に想像できそうな出店を眺めていたら、遠くから聞き慣れない大きな音がした。轟音と表現した方が相応しいような音だ。なにか重い物を金属製の車輪の台車か何かに載せて引っ張っているような音。5秒ぐらい音が続くと、パタリと静かになる。しばらくすると同じ音が再び聞こえてくる。だいたい一定間隔で鳴り響いている。聞いたことがあるような気もするし、初めて聞くような音にも思える。とにかくなんの音なのかは、分からない。
 轟音が鳴り響いていても、みんな冷静だ。ぼくと同じように音を不思議がる様子こそ見られるが、悲鳴だとかそういう混乱を感じさせる様子は何も無い。
 音の正体はいったい何なんだろう?
 音のする方へと進んでいった。
 木々が生い茂っているので、近づくまで音の正体は見えてこない。でも、ドンドン音が大きくなっていく。
 公園の大広場へ出た瞬間、音の正体がようやく見えてきた。
 そこには、熱気球が浮かんでいた。
 轟音の正体は、熱気球のバーナーの音だった。
 今日のメインイベントは、熱気球の試乗会のようだ。何人かをゴンドラに乗せて20mぐらい上昇するというのを繰り返している。ぼくも乗ってみたかったが、受付は既に終了していた。
 熱気球をこんな間近で見るのって初めての経験。身近そうで意外と縁遠い乗り物なのかもしれない。
 それにしてもバーナーの音は大きい。まるで工場の近くにでもいるかのようだ。熱気球って、もっと優雅な乗り物かと思っていたけれど、どうもそうじゃないようだ。