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課金への誘惑

by 唐草 [2017/02/19]



 なんだかんだでダラダラと『PS02』で遊び続けている。新しいゲームを買うとクリアするまでログインすらしなくなってしまうが、クリアすると戻ってきてしまう。オンラインゲームだが他者とのコミュニケーションを積極的にしないと決めているので、気楽に続けていられるのかもしれない。それに無料だし。
 ぼくは、基本無料のゲームでは可能な限り無課金を貫くことにしている。メーカーには申し訳ないと思っているが、それがぼくの楽しみ方だ。いかにして無料で遊び続けるかを考えるのが楽しいのだ。
 とは言うものの、やはり課金への誘惑に駆られることがある。
 ここのところ積極的に野良でレイドボスに参加する機会が増えている。参加する度に課金の魅力を見せつけられてしまっている。
 無課金の辛さを痛感するのが、所持アイテム数の少なさだ。ボスを撃破した後にアイテム回収にいつも手間取ってしまう。所持数以上にアイテムが出るので、倉庫に送りつつゆっくりとアイテムを拾うハメになる。その結果、毎回ボス部屋に1人取り残される。鞄が大きければ、さっさと拾って次に行けるんだろうなぁ。時々、ぼくと同じペースでゆっくりアイテムを拾っている人を見かける。きっと彼も無課金なのだろう。しょっちゅう立ち止まる緩慢な動きに親近感を覚えてしまう。
 レイドボスで他プレーヤーと組むと、衣装の華やかさに目を奪われることも多い。華やかなオリジナル衣装や他ゲームとのコラボ衣装に身を包んでいる。課金ガチャで集めたご自慢の衣装なのだろう。対してぼくのアバターはどうだろうか?無料ガチャで引ける地味な衣装しか身につけていない。パンツ一丁ではないが、一目で無課金野郎だと分かる出で立ちだ。衣装に能力は設定されていないので、課金したからと言って強くなる訳ではない。
 でも、華やかな連中に囲まれるとなにか格差のようなものを感じずにはいられない。
 孤独に無課金を貫く覚悟を決めたはずなんだけれども、その覚悟が揺らぎそう。あぁ、このままだと開発側の術中に堕ちてしまいそうだ。