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海外から見た日本

by 唐草 [2017/03/08]



 先月から『クリミナルマインド 国際捜査班』という海外ドラマを見ている。人気の犯罪捜査ドラマ「クリミナルマインド」シリーズのスピンオフ作品である。ものすごく雑に要約すると「犯罪心理分析が得意なFBI捜査官が海外で出しゃばるドラマ」だ。
 海外で発生したアメリカ人が関わる事件にFBI捜査官が、本当に関わることがあるのかは知らない。時々日本のテレビで放映される「公開大捜査」みたいな番組で、元FBI捜査官を名乗る透視とかができるらしい胡散臭い人が登場するのは見たことがある。でも、現職の人って国際捜査にどの程度首を突っ込んでくるのだろうか?本当の事は何も分からない。とは言え、細かいことは気にせずドラマとして楽しむのが、エンターテインメントに接する正しい姿勢だろう。
 昨日放送された第4回目は、日本が舞台だった。実は、放送前からこの回を楽しみにしていた。
 アメリカ人の描く日本は、どこかずれた感じがする。ヤクザや芸者ガールが出てくるという露骨な演出が無くても、何かがおかしい。映像を見ていると、歯に何かが挟まったような心地悪さを感じることがよくある。どことなく中国っぽい感じがしてしまうのだ。クリミナルマインドでは、どのように日本が描かれるのか楽しみにしていた。ある意味で、怖いもの見たさという感じだ。
 ドラマの撮影は、実際の日本の風景を使っているシーンもあるが、主要な登場人物が出てくるところはセットとCGを駆使している。今回の話では、築地市場でアメリカ人が失踪して青木ヶ原樹海で自殺していたというところから始まる。築地市場が、いかに人気の国際観光スポットであるかがよく分かる。
 予想通りとはいえ、この築地市場のセットがどうも中国っぽい感じなのだ。看板とかは頑張って日本語にしているのだが、ストレートに「魚の店」とか書いてあって笑ってしまう。何が中国っぽいのかを考えながら見ていたのだが、ぼくの結論は「提灯」だった。
 店の軒先に吊された赤提灯。飲み屋ではよく見かけるアイテムだ。皆さんが想像した提灯は、どんな形をしているだろうか?きっと、小判型とでも呼ぶべき縦に長い提灯だろう。
 でも、ドラマで使われていた提灯は、まん丸の提灯。それが、横並びにいくつも連なっている。
 現代日本の飲み屋に提灯が掲げられているとしたら、それは照明ではなく看板のようなもの。お祭でもあるまいし連なっていることは、まず無い。
 こう言う小道具のミスマッチがいくつか重なっていくと途端に国籍が失われていく。きっと、日本人が描く海外の風景もこんな感じなのだろう。
 ここまで、悪い点ばかり書いてきたがドラマはおもしろかった。日本人役を、一部であるけれど日本人が演じていたのが良い。あと、マスク姿の人が多いことを奇異に思うアメリカ人の描写が新鮮だった。見慣れた光景ではあるが、冷静に考えると確かに恐ろしい光景だよな…。まぁ、ニンジャの子孫だから顔を隠すのは致し方ない。
 自分自身のことを知りたければ、鏡を見るより隣人に感想を聞いた方が発見が多いもんだなと実感した45分だった。