カレンダー

2017/03
   
 
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

詭弁のガイドラインをもう一度

by 唐草 [2017/03/15]



 たしか2ch発祥だったと思うのだが、「詭弁のガイドライン」というコピペがある。改変が難しいし、そもそも長いのであまり目にする機会のないコピペだ。ぼくが初めて見たのは、10年以上前だと思う。初めて読んだときは、分かり易さに感激したものだ。
 なんか最近、詭弁のガイドラインを思い出すことが多くなったように感じている。ネットでの(不毛な)議論や政治の場での答弁を見たり聞いたりしていると、ガイドラインに掲載されているような発言が良く出ているように思えるのだ。
 詭弁は、議論に勝つための有効な手段だ。弁論術のひとつとして古代ギリシア時代ぐらいから使われていたはずだ。現代でも詭弁の威力は十分にある。むしろ、情報が編集されて一部だけが流布するようになった現代こそ、詭弁が猛威を振るうのかもしれない。テレビに映る一瞬だけ、字数の限られたつぶやきの中で、そう言った限定的な場で行われる論争に勝ったように見せる際に詭弁は輝いて見える。
 でも、冷静に発言の内容や議論の流れを振り返ってみると違和感を感じることがある。とは言え、その違和感の正体を見極めるのは難しい。そこで役に立つのが詭弁のガイドラインだ。発言内容をガイドラインの15条に照らし合わせてみると、合致する部分があるかもしれない。その場合、発言者は詭弁を使っている可能性が考えられる。
 だとしたら、輝いて見えた発言であっても注意を払う必要がある。
 と、ここまで詭弁のガイドラインの肩を持ってきた。でも、詭弁のガイドラインは正確無比なものでなければ、詭弁を照明する必要十分条件でもない。あくまで、ネタから生まれたガイドラインだということを忘れてはいけない。
 それでもガイドラインがあれば「相手の発言が議論に勝つためだけの詭弁」かどうかを考えるきっかけにはなる。「11.レッテル張り」や「5.資料を示さず自論が支持されていると思わせる」あたりを口にして議論を進める人間に注意を払うことはできる。
 ネットリテラシーのひとつとして、今こそ詭弁のガイドラインを復興させたいなぁ。


■「犬は果たして哺乳類か?」という議論に対して「犬は哺乳類である」との発言に対する否定的な詭弁の例。

1.事実に対して仮定を持ち出す
 「犬は子供を産むが、もし卵を生む犬がいたらどうだろうか?」
2.ごくまれな反例をとりあげる
 「だが、時として尻尾が2本ある犬が生まれることもある」
3.自分に有利な将来像を予想する
 「何年か後、犬に羽が生えないという保証は誰にもできない」
4.主観で決め付ける
 「犬自身が哺乳類であることを望むわけがない」
5.資料を示さず自論が支持されていると思わせる
 「世界では、犬は哺乳類ではないという見方が一般的だ」
6.一見関係ありそうで関係ない話を始める
 「ところで、カモノハシが卵を産むのは知っているか?」
7.陰謀であると力説する
 「それは、犬を哺乳類と認めると都合の良いアメリカが画策した陰謀だ」
8.知能障害を起こす
 「何、犬ごときにマジになってやんの、バーカバーカ」
9.自分の見解を述べずに人格批判をする
「犬が哺乳類なんて言う奴は、社会に出てない証拠。現実をみてみろよ」
10.ありえない解決策を図る
 「結局、犬が卵を産めるようになれば良いって事だよね」
11.レッテル貼りをする
 「犬が哺乳類だなんて過去の概念にしがみつく右翼はイタイね」
12.決着した話を経緯を無視して蒸し返す
 「ところで、犬がどうやったら哺乳類の条件をみたすんだ?」
13.勝利宣言をする
 「犬が哺乳類だという論はすでに何年も前に論破されてる事なのだが」
14.細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
 「犬って言っても大型犬から小型犬までいる。もっと勉強しろよ」
15.新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
 「犬が哺乳類ではないと認めない限り生物学に進歩はない」