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蛸がうまい

by 唐草 [2017/03/26]



 今日は、お昼にちょっといい和食を食べた。
 そこで蛸の煮物が出てきたのだけれども、もしかしたら生まれて初めて煮た蛸を食べたかもしれない。身が噛まなくても崩れるほどに柔らかくなっているが、吸盤はしっかりしたまま。メリハリのある食感だった。
 蛸を食べる機会というと、タコ焼きがほとんどだ。1年で食べる蛸の9割はタコ焼きが占めている。残りの1割は、たぶん刺身だろう。刺身は、足先の吸盤が細かいところが好きだ。
 ぼくにとって蛸は、嫌いな食材ではない。とは言え、吸盤がビッシリと詰まった脚はグロテクスクに感じてしまうのも事実。歯ごたえのある食感が好きとは言え、自分で買ってきて調理することは無い。
 だからだろうか?不思議なことに煮蛸とは縁が無かったようだ。
 それどころか、正直に告白すれば、蛸に対して煮るという調理方法が採用されるという考えがなかった。
 冷静に考えたら、おでんの具材に蛸があったことをすぐに思い出した。特徴的な外観をしているので、マンガなどで三角形のコンニャクや丸い大根と並んで描かれる機会が多いかもしれない。でも、ぼくは食べたことがなかった。そして、食べたことがないからあえて食べようともしていなかった。
 嫌いだから避けているのではない。その存在を理解していないから、初めから選択肢に登らなかったのだろう。
 今日、ようやく煮蛸の存在を認知することができた。この理解が、ぼくの食生活を激変させることはないだろう。でも、食の選択肢が広がったことは確かだ。
 誰かにとっては当たり前のことでも、ぼくにとっては未知のことという場合がある。その逆もあるだろう。今日は、それが蛸だった。明日は、烏賊かもしれない。