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白銀のテレビ台

by 唐草 [2017/03/31]



 模様替えの結果、部屋のど真ん中に本棚が2つあるという妙なレイアウトに落ち着いた自室。ゴロ寝で遊べる快適なゲーム環境と引き替えなのだから致し方あるまい。使っている内に慣れてくるだろう。
 テレビの移動がきっかけになって実行された今回の模様替え。主役のテレビの足下には、模様替え前と変わらず不釣り合いなものがある。
 家電の花形でもあり、家庭の中心に陣取ることも多いテレビ。他の家電と違って、『テレビ台』なる家具が売られていることからも、その特別さがよく分かる。
 ぼくの部屋のテレビも、台の上に乗っている。だが、その台はテレビ台ではない。小さな机でも無い。
 脚立の上に乗っているのだ。
 庭木を切るために購入した高さ60cm程度の小さなアルミ製脚立の上に37インチの液晶テレビが鎮座しているのだ。黒いテレビとメタリックな脚立の組み合わせは、工事現場を思わせるワイルドさが見え隠れする。要するに、不似合いだってこと。
 ただ、脚立とテレビの組み合わせは、機能的には思っているほど悪くない。むしろ良好である。
 人が立って乗ってもビクともしない安定感。これは、上に乗るものがテレビに変わっても変わることはない。むしろ液晶テレビなんて軽いぐらいだろう。広く開いた4本の脚が堂々とテレビを支えている。シンプルな構造なので掃除もしやすいし、占有する床面積も少ない。
 昨年テレビを譲り受けて以来、すでに9ヶ月以上、脚立がテレビ台としての役目を果たしてくれていた。使われることなく畳まれていることが多かった脚立が、毎日重要な役目を負うことになったのだ。これ以上の活躍はないだろう。
 ただ、ひとつだけ問題がある。
 踏み台として使うことができなくなってしまった。このままだと、庭木を切ることができない。