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もう通勤できない

by 唐草 [2017/04/14]



 今日は、久々に街に出た。前に勤めていた会社へ、ちょっとお仕事の手伝いに行ってきた。勤めている大学は多摩の山の中にあるので、よりいっそう街へ出るという感覚が強くなる。何年か前までは、週に2回以上通勤していた場所に行くだけなのに…。
 変化が現れたのは、心理的な面だけではなかった。肉体的にもちょっとした変化があった。
 今の通勤は、ラッシュの起こる上り路線ではなく、朝から座れることもある平和な下り方面。帰りは、帰宅ラッシュよりも遥かに早い時間なので、ほぼ確実に座れる。また、電車に乗っている時間も20分ちょっとだ。
 かたや街へ出る場合は、上り路線となる。新宿駅へ向かう人は、お昼過ぎでも大勢いる。どんな時間でも、幸運に恵まれなければ座ることは難しい。乗っている時間も、乗り換えを含めて40分近くある。
 以前は、40分間立って電車に揺られるのは、日常でしかなかった。
 そんな日常から2年も遠ざかっていると、体が感覚を失ってしまう。
 40分の乗車時間が恐ろしく長く感じられる。こんな長時間電車に揺られていたなんて信じられない。そして、つり革を握って立っているだけで疲れてしまう。春に自堕落な日々を送っていた影響も大きいのだろうが、電車を降りる頃には背中が痛くなっていた。ただでさえ少なかった背筋が、すでに微塵も残っていないという感覚を文字通り痛いほどに味わうハメになってしまった。
 もう、街へ通勤することはできない体なんだ。田舎者は、田舎者らしく田舎で完結していよう。それしか道はない。