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鯉のぼり

by 唐草 [2017/04/27]



 近所を歩いていたら立派な鯉のぼりが目に入った。鱗のエッジが金色の豪華というか、派手なヤツだ。風が強いので、優雅に空を泳いでいる。今時こんなに立派な鯉のぼりを揚げているところは、あまり多くない。どんな家が設置したものだろうか?古くからの農家?それとも土地持ちのセレブ?
 鯉のぼりを設置していたのは、一般家庭ではなかった。鯉のぼりの支柱を目で追っていくと、そこにあったのは幼稚園だった。
 この鯉のぼりは、誰かひとりのために空を泳いでいるわけではないのか。みんなの鯉のぼりなんだなぁ。
 もう個人で鯉のぼりを揚げる家庭なんてないのかもしれない。建坪率ギリギリいっぱいで建てられた現代式の住宅には、鯉のぼりを掲げるスペースなんて残されてはいない。柱を立てられる場所すらない。無理矢理揚げても電線に絡んでしまいそうだ。
 都市部では、鯉のぼりは絶滅危惧種であると考えて問題無いのだろう。
 ぼくだって、自宅で鯉のぼりを掲げてもらった記憶は無い。それでも、優雅に空を泳ぐ鯉のぼりの姿を見ると、季節を感じることができる。例え、それが映像などから刷り込まれた記憶だとしても。
 いつまで街中を泳ぐ鯉のぼりを見ることができるのだろう?今年見た鯉のぼりが、最後の鯉のぼりなんてことになっても不思議はない。