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網戸を張り直す

by 唐草 [2017/06/25]



 去年だか一昨年に、自分で網戸の張り替えを行った。それは、生涯2度目の網戸張り替え経験。網戸の張り替えなんて、特に難しい作業ではない。ピザカッターのような専用工具があれば、後はパワーで押し切るだけの仕事である。
 なんて、偉そうに言ってはみたものの、実はあまりうまく張り替えることができなかった。
 虫の侵入を防ぐことはできているし、風も入る。網戸としての最低限の仕事は果たしている。でも、網戸のテンションが低い。陰気な網戸などという精神的なテンションの話ではない。網の張力が低いのだ。だらしない腹の肉のようにだらりとたるんでいる。
 最低限の仕事は果たしてくれているので、これでいいやと見て見ぬフリをしてきた。でも、最近ますますテンションが下がってきた。このままでは、猫が網戸に寄りかかったら網だけが外れてしまうかもしれない。そうなれば、猫が2階から落ちてしまう。
 それはまずい。
 と言う訳で、もう一度網戸を張り直すことにした。
 網戸は、金属フレームに太いゴム紐で網を固定している。接着剤とかは一切使っていないし、ネジ止めもしていない。単純にゴムの弾性だけで網を固定している。
 家に残っていたゴム紐を確認したら2種類の太さがあった。ひとつは、十年ぐらい前に初めて網戸の交換をしたときに購入したもの。太さは、5.5mmだった。ほんの数センチしか残っていない。これはたぶん次に買うときに太さを間違えないようにとあえてパッケージごと残していたのだろう。
 もう一つは、この前網戸を張り替えたときのもの。こっちは、わずかに細い4.5mm。それが大量に残っている。
 どうも前回網戸を張り替えた際に、ぼくは購入するゴムの太さを間違えていたようだ。細いゴムだから固定がうまくできずに網のテンションが低くなっていたのかもしれない。
 4.5mmのゴムが大量に残っているのだが、5.5mmのゴムを買い直した。
 たった1mmゴムが太くなるだけでこんなにもきつくなるものなのか。工具片手に額に汗してゴムを力いっぱいフレームの溝にねじ込んでいく。
 すべてのゴムを奥までしっかり押し込み終えた後、ぼくの目の前にはまるでテニスのラケットのようにパンパンに張った網を抱えた網戸が鎮座していた。
 そうか、テンションが低かったのはゴムがゆるゆるだったせいなのか。