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水はどこへ消えるのか

by 唐草 [2017/06/29]



 先週患った風邪は、まだ完全に抜けきってはいない。喉の痛みで始まった今回の風邪は、熱が出て苦しんだり、腹をこわしてトイレに篭もるような辛い症状はなかった。その代わり、ずっと体がだるい。仕事を休むことなく済んだのは助かったが、太ももが粘土になってしまったかのような重さをずっと感じることとなった。
 1週間以上経って症状はかなり改善した。
 残るは、咳と痰だけである。
 ぼくは生まれつき気管が弱い。医者にかかったり薬を飲み続けたりするほど致命的に弱いわけではなく、風邪とかをひくと1ヶ月くらい咳だけが残ってしまう。そんな弱さ。今回も、しつこく咳だけが残っている。
 教員という仕事をしている以上、どうしても人前に出て大きな声で喋らなくてはならない。だから、咳と痰は本当にやっかいなのだ。
 こう言うときは、さっさと薬に頼るに限る。前に処方してもらった咳止めと痰止めが残っていたので、それを利用する。
 現代医療のたまものだ。薬を飲めば、たちどころに咳が減り、喉のつかえも無くなる。なぜか、鼻水まで止まってくれる。あたかも健康体のような自分を容易に取り戻すことができる。
 ただ、代償もある。薬を飲むと異常なまでに喉が渇くのだ。砂漠にでも放り出されたかのように喉が張り付くほどの乾きがぼくを襲う。水分を口にしても渇きが癒えることはない。
 それでも咳を止めることと喉の渇きを天秤にかければ、当然咳を止めることを選ぶ。代償を承知して薬を飲んでいる。
 ただ、一つだけ不思議なことがある。
 喉渇きに負けて水やらお茶を大量に飲んでいるのにそれが、本来の経路で体外に排出されている様子はない。汗をかいている自覚もない。ぼくが摂取した水は、いったいどこへ消えているのだろうか?それが不思議でならない。