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エスパー

by 唐草 [2017/06/30]



 先日、散歩をしていたら妙な機械を目にした。
 大きさと形は、荷物を運ぶ台車とほぼ同じ。台車でいうところの荷物が載る部分に白いブラウン管テレビのようなものが載ってい機械だった。台車を押す人がモニターを見られるように、後ろ向きにモニターがセットされている。作業服を着た人が、その台車のような機械をゆっくりと押して道路を進んでいた。
 一目見て工事ではないと分かる静かな作業風景。モニターのようなものが付いているので、何かの計測でもしているのだろうか?
 だが、気になったのは見慣れぬ機械の姿形ではない。機械に大きく書かれていた名称が、ぼくの心を強く惹いた。
 
 エスパー
 
 機械の正面、つまりモニターの背面に当たる部分に大きくポップな字体で「エスパー」と書いてある。
 超能力者かよ。思わずそう突っ込んでしまった。
 名称から考えると非破壊検査の類をしているのだろう。非破壊検査の能力を透視能力とかけてエスパーという名称をあたえたのではないだろうか?そのネーミングセンス、嫌いじゃない。むしろかなり好きな方だ。
 慎重に機械を押している作業員の方には申し訳ないが、エスパーの活躍する姿に笑ってしまった。
 今日、改めてエスパーについて検索をしてみた。概ねぼくの予想は正解だった。電磁波を利用した地下埋没物探索システムのようだ。
 人間には感知できない電磁波を用いて地面の下を、文字通り透視している。種と仕掛けとトリックと科学技術を集めた現代の透視能力者。まさにエスパーの名にふさわしい。
 だが、どうしてエスパーの名称をああも大きく堂々と表示する必要があるのだろう?それだけがどうしても解せない。