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メンマ

by 唐草 [2017/07/10]



 暑い日は、冷たいものしか食べたくない。それが夏バテへと繋がる道だと分かっていても、選択を変える気はない。
 と言うことで、今日のお昼は冷やし中華にした。
 冷やし中華の具材は、冷静に考えるとまったく中華要素がない。彩りだけで選ばれたようなものばかり載っている。黄色担当の錦糸卵、赤担当のトマト、緑担当のキュウリ、そして肌色担当(?)のハム。この辺りが王道の具材だろう。麺の上にサラダが載っているようなものだ。
 ただ、今日の冷やし中華はちょっと違っていた。学食というスピードが重視される場所で提供される冷やし中華らしい最適化が施されていた。
 キュウリとトマトは、いつも通り主役顔で緑と赤の役目を果たしていた。だが、ハムの姿はなかった。その代わりにラーメンで使うチャーシューを細切りにしたものが載っていた。チャーシューが冷たいと脂が固まっていてちょっとしつこい。傷みやすいハムをカットして用意しておくのはリスクが高い。同じ豚肉であるチャーシューでの代用は、合理的な判断なのだろう。
 一番驚いたのが、黄色担当の姿である。
 錦糸卵は載っていなかった。もちろんゆで卵も生玉子も載ってはいない。卵の姿はどこにもなかった。卵の代わりに載っていたのは、メンマだった。
 一見すると確かに錦糸卵っぽく見えなくはないよいうにも思える。ただ、それはメガネを外して15mぐらい離れればの話。テーブルに皿を置いてまじまじと見つめると、否定しがたい違和感がそこにある。
 高い調理スキルが必要とされる錦糸卵を大量に用意するのは大変だ。学食では難しいことなのだろう。それはよく分かる。
 でも、なんでメンマなんだろう?
 メンマは、冷やしていない中華ソバ、つまりラーメンではおなじみの具材だ。だからと言って、冷やし中華に出張させるのは何か違うように思えてならない。チャーシューと一緒に出張してきたのだろうか?
 食べてみても違和感がある。ラーメンのスープに浮かべてちょうど良い味になるメンマは、単体で食べるとどうにも味が濃い。
 とは言え、チャーシューとメンマ。それは確かに中華の具材だ。これなら堂々と中華をなのってよいのかもしれない。