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自分の説明書作り

by 唐草 [2017/08/24]



 7月の末からずっとキーボードを叩き続けている。でも、この3日間ぐらいは叩くキーの傾向が違っている。
 プログラムを打つためにアルファベットをタイプしているのではなく、説明書を作るために日本語をタイプしている。
 この作業の退屈なことといったら、キーボードを叩きながら寝てしまいそうになるほどだ。プログラムを書いているときの方が、ずっとクリエイティブなことをしているという感覚が強い。
 とは言うものの、説明書作りもある意味で専門分野である。
 今は無き某社の主力製品の説明書を7年にわたって書いてきた。ぼくが関与していなかった初期の説明書の頃はサポートの電話回線がパンクするほどの問い合わせがあったが、説明書を刷新してからは電話は通じるレベルまで状況が改善した。その実績を買われて長らく説明書作りを任されてきた。
 ノウハウがあるので、ソフトウェアのマニュアルならなんでも作る。
 今回は、ぼく自身が書いているソフトの説明書を作っている。説明書を作る場合は、他の人が作ったソフトウェアの場合が多い。自分の開発したソフトに対して自分で説明書を書くのは初めての経験だ。
 自分で開発したソフトの説明書を書くのは、今までのどの説明書よりも難しい。だから、手が動かないのだ。
 説明書を書く上で重要だとぼくが考えていることがある。それは、初めて使う人の気持ちになって書くこと。これができないと応用テクニック集みたいな説明書になってしまう。
 他の人が開発したソフトであれば、ぼくも初めて使う人として触れる瞬間がある。その時の疑問や混乱を解決する方向を目指して中身を構成すればいい。
 でも、自己開発だとそうも行かない。すべてを理解してしまっている。どこが混乱ポイントなのかもわからないし、最初にどこから操作しようとするのかも分からない。何が分からないのか分からないという哲学的な状況に陥ってしまっている。
 今回は、企画の立案、ソフトウェアの開発、画面のデザイン、印刷対応の説明書作成まですべてをやっている。つまり、1から10まですべてをひとりでやっている状態だ。何が分からないかなんて、到底理解できるはずがない。