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2次元の圧力

by 唐草 [2017/09/07]



 ニュースを見ていたら「異次元の圧力」という言葉が画面に大きく映し出されていた。
 その圧力とは、2次元なのだろうか?それとも4次元なのだろうか?
 今の政権の広報担当は「異次元」というキーワードが好きなのではないか?前にも日銀総裁だったかが異次元という表現を使っていた記憶がある。何を異次元と表しているのかはサッパリ分からないが、なんだかすごそうな感じがするのもまた事実である。ハッタリとしては有用な言葉だ。
 テレビでは首相が会見の中で実際に「異次元の圧力」と発言している映像を流していた。しかし、ぼくの頭の中ではすでに「2次元の圧力」に変換されていた。あまり滑舌の良くない首相の言葉は、あたかも実際に「2次元」と言っているようにぼくの耳へと届いていた。
 2次元の圧力。
 いかにも日本らしい圧力じゃないか。成人になっても少なからぬ人数が2次元の海にとどまっている。コンテンツ産業が盛んな日本の今は、3次元の現実世界よりも2次元の世界の方が活気づいていることだろう。そんな現代日本が行う2次元の圧力とはどんなものになるのだろうか?
 マンガやアニメなどの物量攻撃。輸送機から投下されたパラシュート付きのコンテナにはマンガが満載されている。電波ジャックして公共放送にアニメを割り込ませる。ありとあらゆる方法で2次元を送りつける。日本人を骨抜きにしてきたコンテンツを相手に押しつけることで、相手も骨抜きにしてしまおうという作戦だ。情報コントロールによる人民支配。恐怖や不信感を煽って国の体制を脅かすのではなく、興味の対象を限定的にして目の前の事象に目を向けさせないようにする恐ろしい作戦だ。
 空からマンガが降ってくる。まさに夢のような状況じゃないか。しかし、実際は高度な情報戦略。恐るべし、2次元の圧力。ぼくのところにもマンガが降ってこないものだろうか。そっと空を見上げるも、いつも通りの空に雲が流れているだけ。