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偽りの高原

by 唐草 [2017/09/14]



 今、ぼくの部屋には温度計と湿度計の機能が付いたデジタル時計が置いてある。時計として活用しているので、ぼくにとっては温度計と湿度計がオマケである。でも、掌サイズの時計の液晶画面は、温度計と湿度計エリアの方に大きな面積を割いている。メーカーとして、時計付きの温度計兼湿度計として販売していたのかもしれない。
 我が家は、部屋ごとに温度計を設置している。自室とサーバ室には、小学校の理科室に置いてあるようなアルコール式の長いガラスの温度計が置いてある。物理現象を利用したアナログ式の温度計が一番信用できる。そんなアナログの温度計が、デジタル機器の代表でもあるPCを守るために役目を果たしているのだからおもしろいものだ。
 話をデジタル時計に戻そう。
 この夏の暑さのせいだろうか?時計に付いていた湿度計が壊れてしまった。湿度計に表示されている数値は、大抵30%台。まるで爽やかな乾いた秋風が吹く高原のような値である。でも、そんな爽やかさはどこにもない。ぼくの額には汗が浮かんでいる。湿度計の値は絶対に間違っていると体が危険信号を出している。
 見た目に分かる破損などの著しい故障がなくても、一見表示が正しそうでも、間違った値を表示していることがある。これがデジタル機器の怖いところ。今回が正にそのパターン。この数値を信じていたら熱中症になってしまっても不思議は無い。
 湿度計の値を観察していると、一応変化がある。試しに熱い息をハァハァと時計背面に吹き込んだら温度も湿度もきちんと上昇した。結露するほど息を吹き込んだのにそれでも70%ぐらいまでしか湿度が上がらなかった。どうも30%ぐらい低く値が表示されているようだ。
 表示された値に30ポイントを加算すれば目安としては使えるのかもしれない。でも、それよりは自分の感覚を信じた方が正確だろう。